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降谷side
「何の用ですか、ベルモット」
紅と別れ、あの時ぶつかった人物のあとに続いて歩く。
だんだん歩調を緩めチラリと一瞥される。
「貴方、あの子と面識があるの?」
「え?…えぇ、元クライアントです」
「…ふぅん、そう」
「彼女と知り合いなんですか?」
路地裏に止めていたバイクに跨るベルモットにそう質問をする。
ヘルメットを被りながら「そんな事より」と話を逸らされた。
「貴方の姿、借りてもいいかしら」
「え?何故?」
「試してみたいことがあるのよ…あの子に。
演技の腕がいい子は見抜けるかもしれないじゃない
…貴方の赤井秀一の変装に」
「…っ!」
「悪いようにはしないわ。あと、死にたくないならあの子に関わらない事ね」
「どういう意味ですか」
「あら、知らないの?あの子、"危ないヤツ"に気に入られちゃって狙われてるのよ」
最後に爆弾発言を落としてスロットルをまわしバイクで走り去っていってしまった。
突然舞い込んだ情報に思考回路がパンクしそうになる。
"危ないヤツ"に狙われている?
何故そういう言い方をしたのか、組織の人間ではないかとを意味しているのは分かる。
だがあのベルモットが知っているということは裏の世界の人間で間違いがない。
それに…ベルモットは紅を知っている。
紅はそんな素振りは見せなかった。
なので恐らくベルモットから一方的に知っているという事。
紅から聞いた母親が巻き込まれたテロには組織は関わってはいないのは依然調べた。
接触しているはずがないのに一体どこで…
セーフハウスと扉を開け、1つ息をこぼす。
台所に立って
サッと簡単に炒め物をいくつか作り貪る。
かつん、と皿に箸をつけ頭を抱え込む。
_________『I'm so grateful for that.Furuya』
そう言われる前にされた頬へのキス。
あとから思えばあれは紅のアメリカ流のお礼の仕方かと考えていたが、今日の彼女の反応を見て戸惑ってしまったのだ。
紅が、自分を意識し始めている。
長年の経験で分かった。
______あまり、関わらないようにしなければ
でもそうすればベルモットに言われた通りに動いてるような気がして少し腹ただしいな、と自虐的に笑みを浮かべた。
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はづき(プロフ) - 茉莉(まつり)さん» 「本当にありがとう」という最上級の感謝の意味が込められています。分かりづらく申し訳ないです!これからもよろしくお願いします! (2018年4月28日 19時) (レス) id: 99fb8399f0 (このIDを非表示/違反報告)
茉莉(まつり) - あの英語ってどういう意味なんですか?面白いです!更新楽しみにしていますね!! (2018年4月28日 19時) (レス) id: 5299f2ee2b (このIDを非表示/違反報告)
はづき(プロフ) - アオさん» コメントありがとうございます!拙い文章ばかりになってしまうかもしれませんが、お付き合いして頂くと嬉しいです!頑張ります (2018年4月27日 22時) (レス) id: 99fb8399f0 (このIDを非表示/違反報告)
アオ - 続編おめでとうございます。続き楽しみに待ってます。 (2018年4月27日 22時) (レス) id: 95a693fe0b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はづき | 作成日時:2018年4月27日 19時