91 ページ44
降谷side
倒れた紅を和室に運び込みできる所まで手当をした。今はあの時のように、幼い寝顔をみせている。
「………」
そして、横には彼女をボコボコにした張本人が。
いやまぁ彼もボロボロなのだが…少し気まずい。
「俺のことはつばさから聞いてるんだろ」
「え、あぁまぁ…」
「……お前がどういうつもりかは知らないが、つばさの邪魔をするなよ」
「邪魔…？」
予想と違った言葉が出てきたので思わず聞き返す。
「こいつは人を失いたくないという想いが強すぎる。だから人を護らないと自分を保てない。お前に拐かされてそれが出来なくなったらこいつは死.ぬぞ」
「………」
何も言えなかった。それは自分が考えていたことだったからだ。
「なぁ、和馬くん」
「気安く呼ぶな愚民」
「……はぁ、君は紅が誰かに狙われているというのは知っているか？」
「…？さあ、知らんが。まあ並大抵の人間につばさは殺せないだろうし、まあ殺させはしないがな」
「そうか…」
俺より紅と付き合いが長い彼はなにか知っているかと思ったが、本当に何も知らないそうだ。まだ知り合って間もないが、彼は恐らく嘘がつけないタチだろう。
その後暫く沈黙が続く。が直に紅が目を覚ましその空気は霧散した。
「ったく、倒れるまで鍛錬するとかやりすぎだ」
「和馬に言われたくない…それにあそこで黙って引くのは好きじゃない」
そんなふたりのやり取りを見ながら外の景色に魅入る。山の新鮮な空気が入り込んできてとても清々しい。こんなことを言うのはなんだが、こういう所に１回は住んでみたかったのだ。だから少し、羨ましい。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 125人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
はづき(プロフ) - 茉莉（まつり）さん» 「本当にありがとう」という最上級の感謝の意味が込められています。分かりづらく申し訳ないです！これからもよろしくお願いします！ (2018年4月28日 19時) (
レス) id: 99fb8399f0 (このIDを非表示/違反報告)
茉莉（まつり） - あの英語ってどういう意味なんですか？面白いです！更新楽しみにしていますね！！ (2018年4月28日 19時) (レス) id: 5299f2ee2b (このIDを非表示/違反報告)
はづき(プロフ) - アオさん» コメントありがとうございます！拙い文章ばかりになってしまうかもしれませんが、お付き合いして頂くと嬉しいです！頑張ります (2018年4月27日 22時) (レス) id: 99fb8399f0 (このIDを非表示/違反報告)
アオ - 続編おめでとうございます。続き楽しみに待ってます。 (2018年4月27日 22時) (レス) id: 95a693fe0b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：はづき | 作成日時：2018年4月27日 19時
