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降谷side







「降谷さん」






催促するように名前を呼ばれる。手元にある資料を確認しながら「構わない」と一言いうと部下は足早にその場から立ち去る。

一人取り残された部屋の片隅でわざとらしく声を出して項垂れる。

先日、出来事を思い出す。
紅が言っていた初恋の人は紛れもなく自分だ。本人は忘れていたのでそれが唯一の救いだ。

だが、目の前であんな話されてあんな顔されたら流石に動揺してしまう。


わしゃ、と髪の毛を掻き回し携帯に明かりを灯す。
と、同時に着信音が鳴り慌ててそのまま出てしまいそこでようやくかけてきた人物の名を目にした。





「紅…!?」




思わずこぼした名前に反応することもなく彼女は無言を突き通してくる。
携帯を耳に押し当て耳をすましてみるがやはり無言だ。「おい」と声を出そうとした時、やっと向こうから声が聞こえた。






「ひもじい…………」
「は??」



________________
_______






「おい、食材買ってきたぞ」





ガン、とドアを肘で当てて音を出すがまた反応がない。「ひもじい」と一言残して電話を切った癖に…いい度胸だな。
なんとなくドアノブを回してみれば普通に開いた。危機管理がなってないではないか。FBIの癖に、と心の中で愚痴りながらどすどすと苛立ちを足音に乗せて上がり込む。

がちゃりとリビングに足を踏み入れれば床に転がってる紅。服装がパジャマな所を見ると寝起きなのだろうか。

…今昼だぞ。






「紅、食材買ってきたぞ」
「ん〜……ごはん…」
「………ったく」






顔をあげずにこちらに向けて手を差し出しながらか細い声で言った。
なんだかイライラするがこのまま放置するのも見過ごせないのでそのまま台所に向かって調理を始める。

家庭的な音で気がついたのか、どうやら立ち上がることに成功したらしい紅がこちらへゆっくりと歩いてきた。

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設定タグ:名探偵コナン , 降谷零 , 安室透   
作品ジャンル:アニメ
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はづき(プロフ) - 茉莉(まつり)さん» 「本当にありがとう」という最上級の感謝の意味が込められています。分かりづらく申し訳ないです!これからもよろしくお願いします! (2018年4月28日 19時) (レス) id: 99fb8399f0 (このIDを非表示/違反報告)
茉莉(まつり) - あの英語ってどういう意味なんですか?面白いです!更新楽しみにしていますね!! (2018年4月28日 19時) (レス) id: 5299f2ee2b (このIDを非表示/違反報告)
はづき(プロフ) - アオさん» コメントありがとうございます!拙い文章ばかりになってしまうかもしれませんが、お付き合いして頂くと嬉しいです!頑張ります (2018年4月27日 22時) (レス) id: 99fb8399f0 (このIDを非表示/違反報告)
アオ - 続編おめでとうございます。続き楽しみに待ってます。 (2018年4月27日 22時) (レス) id: 95a693fe0b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:はづき | 作成日時:2018年4月27日 19時

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