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貴女side
無事任務は終えた。
ただ、最後に"降谷"が言った言葉によりその後の予定は変更。
時間は夜であったが人気のない小さな公園のベンチまで移動した。
まだ春になったばかりという事で少し冷たい風が吹く。どこからか聞こえる鈴の音に瞳を落とす。
「私の、何を知りたい?」
「全部」
「ス、スケールが大きいなぁ」
軽く笑うがそんな私を見つめるだけの降谷。さっきからそう、私の行動一つ一つを見落とさないように凝視してくる。
流石に少し恥ずかしい。
(全部……か)
「私は、日本人の父とアメリカ人の母の
間に生まれた。
父は有名な歌舞伎役者で、女として生まれた私を家族は誰も祝福しようとはしなかった」
「……………」
「だから、私は男装をした。どうしても必要とされたくて。
でもある日父が交通事故で他界。母と私の居場所がなくなった為、母の母国に発つ事にした。
確かそれが7つの頃」
_______________
「お母さん」
「つばさ?どうしたんですか、そんな顔して」
遠い異国に来ても私はあの家を畏れていた。
夜は寝れなくていつも母のベッドに潜り込んで過ごす。
母は、ただ笑って私の頭を撫でるだけ。それがとても心地よくて好きだった。
日本と違って、アメリカはとても楽しかった。夜はどうしても怖くなってしまって、どうしようもなくなってしまうが、友達と過ごす学校生活がとても有意義で。
「つばさ、男の子と喧嘩なんてしてはいけませんよ」
「だって〜!」
「暴力は絶対にダメです。武士を見習いなさい」
「うーん、なんか腑に落ちないなぁ…」
そう、母は怒りながら笑う人だった。いつでも笑っていた。よそよそしい敬語で、
あの時も…………________
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作者名:はづき | 作成日時:2017年6月7日 19時