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降谷side
最悪だ。
その一言に尽きる。
まだ二回しか会った事のないFBIの女の部屋で熟睡してしまう等…
公安失格である。もう登庁できない…
重い体を起こして軽くストレッチをする。
すると、視界の端に揺れる何かが映りそちらに視線を移した。
彼女だった。
椅子に背を預けながら首が上下にたまに揺れる。恐らく寝ているのだろう。
器用に寝るな…と思わず見つめてしまう。
紅つばさ、FBI所属だが表向きはただの大学生で通っている。何故日本の大学に在籍しているの理由は分からないが恐らく極秘任務をしているのだろう。
ハッキング能力を持っているのだから名の知れたハッカーであったことは明確。
そこをFBIにスカウトされたという事は簡単に導き出せる。
だが、それでは協力者という立場だけで留まるはずだ。
武道の腕を見込んで、という条件でも足りない…
本音を言うと、昨日はこれを聞きたかったのだ。
だがどうしても仕事を優先せねばいけなかった。その天王寺義兼という男は交通事故で亡くなった事になっているが組織の仕事現場で何故か彼の指紋が見つかった。
ただの偶然かどうか分からないがもしかしたら彼女は何か知っているのか、と思っていたがどうやら死んでいると思ってるらしい。
嘘は、ついていなかった。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ゴン
突然の大きな音に驚きよく見れば紅が床に頭を打ち付けていた。
「あ、降谷おはよう」
「おはよう。何がどうなってそうなったんだ…｣
「頭の重さに首が耐えれなかった」
「…そうか」
へらっと笑う彼女が分からない。
なにかの目的のためにこんな事をしたのかと思ったがそんな素振りを見せない。
元々こういう人間なんだろう…よくこの世界で生き延びてきたものだ。
「降谷の寝顔パシャッといた」
「紅ぃぃぃぃ！！！」
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作者名：はづき | 作成日時：2017年6月7日 19時
