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「な、んなんだ…一体」
「あ、降谷。どうだった？私のイチオシのリラクゼーションは」
「……余計に疲れた」
グッタリとした様子の降谷。それもそうだ。
目の下のクマから判断して三徹目をきっと過ごしているんだろうと踏み、無理矢理降谷をリラクゼーション処へ突っ込んだ。
肌ツヤはよくなってるが、マッサージ後の特有の倦怠感に襲われてるそう。
「普段使わない筋肉を刺激したからそうなるんだよ。ちゃんと刺激された証拠だと思えばいい」
「無理だ…眠い…」
目を擦りながら今にでも舟を漕ぎ出しそうな勢いだ。
予想してたよりもやられてると思った私は急いでタクシーを呼んで乗せることにした。
口を動かすのも億劫なのか「う…」としか言わない。
この様子じゃあ自分の家の住所も言えないだろう。まあ言えたとしても彼が私に安易に教えるとは思わない。
私の家に運ぶのが及第点だと思い行動に移すことにした。
よっぽど眠いのか、場所について問われる前にベッドに身体を沈めさせればそのまま寝息を立てながら眠ってしまった。
まだ降谷とは関係は浅いけれどもまさかこんなにも早く寝顔が見れてしまうなんて思ってなかった。
折角綺麗な顔をしているのだから隈なんて作らないようにちゃんと寝ればいいのに。
「まあ、仕事が終わらないと寝れないのは分かるけど」
ぼそっと独り言を言えば部屋の静けさが強調される。
でも「すーすー」と寝ている降谷を見るとそれが少し和らいだ。
つい顔の筋肉が緩み、彼の髪の毛へと手を伸ばす。思ったよりも柔らかい髪質だ、男の癖に。
「おやすみなさい」
他人にこの台詞を言ったのは、いつぶりだろうか
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作者名：はづき | 作成日時：2017年6月7日 19時
