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コナン君と協定を結んだ。
と言ってもお互い利害が一致してる状態での協力って至極、簡単なことではあるんだが。
家で作ったインスタントコーヒーを自分の机に置き、この間壊れたパソコンの代わりに買ってきたPCに電源を入れる。
その時、携帯が音を鳴らした。
「仕事用……はい、もしもし」
「…降谷だ」
「……ああ、公安の零ちゃん」
「その呼び方いい加減やめろ」
「それで、用件は?」
「…お前の力を貸してほしい」
「…協力者になれってこと?」
拍子抜けだ。
てっきり情報管理の定期的なチェックに来いとかそういうものだと思っていた。
電話口から何故か深いため息をつかれた。
「今回はそっちのじゃない。…実は女性の体術講師が足りてなくてな。
1日だけでいい、金も出すからやってくれないか?」
「……基本、そういうのは上に聞いてからじゃないと決めれないから。また電話するよ」
「ああ…分かった」
自然な流れで電話をきり、先輩に電話を繋いだ。
一回目のコールで出た。
話をしてみれば「別に構わない、日本の警察に恩を売っておいて損は無いからな」と厭らしい言葉を絡めて許可がおりた。
全く、大人は怖いなぁ。
その後、降谷と連絡をとり何故かご飯を食べることになった。
「何故ご飯?そして何故焼肉??」
「ちょうど腹が減ってたんだ。この方が合理的だろ」
「あぁ、成程ね。私の事探りに来たって理由だ」
腕を組み、高圧的な態度で言えばピクリと箸を止めた降谷。
ここは都内の少しお高い焼肉屋さん。一応隔離されている個室の中なので声を潜める必要は無い。
例え合理的とはいえ降谷はこんな面倒なことはしないだろう。
メールでもなんでも他の人に一任することも出来たはずだ。
なのにそれをせずこうして私と食事を取ろうとしていることは私の情報を探るためとしか考えられない。
私のことを『異例のFBI』と知っているあたり…ね。
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作者名:はづき | 作成日時:2017年6月7日 19時