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康二くん：A、どこなん？
：めめとおるん？
：お願いやから電話とって
：めめにも繋がらん。一緒におるんやろ？
：A、おれ、まだ諦めへんから
そんな何件ものメッセージに返信をしたのは、目黒くんのマンションを出てからだった。
夜が明けきっていない、空の下。
吐く息は白くなって空気に溶ける。
幸いわたしは仕事が休みの日で、メンバーに会う予定もない。
何件もの着信、何十件ものメッセージ。
その返事をしていないのも、目黒くんと消えたのも、購入くんから直接責められることはないことに安堵した。
A：連絡遅くなってごめんね。今日も仕事頑張って
間違っても、昨夜のことを自分からは話さない。
話せるわけない。
聞かれても答えられないから、その話題には持っていかない。
だからそれだけ、たった一言返信をした。
すぐ既読にならないことを確認して、携帯の電源をオフにしようとした時、メッセージの受信を知らせるバイブ。
既読にならないようにポップアップだけを見ると、予想していた人からのものじゃなかった。
と、同時に胸が高鳴る。
目黒くん：引き留めてごめん。今日休みだったよね？ゆっくり休んで。おやすみ
初めてきた、個人的なメッセージ。
それだけなのに幸せで、
背徳なことをしてるのに幸せで。
A：ありがとう、おやすみなさい。
それだけ返信してから、電源をオフにした。
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続く (更新停止中)
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作者名：葵
| 作成日時：2023年10月16日 1時
