びたーびたー【青】

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「はぁ？浮気で婚約破棄？」

「です…」

「うわぁそりゃクズ野郎って言いたくなるよなあ」

「はい、でもお店でやることじゃなかったですよね…」


本当にすみません。
続けた女性-Aさん-はまた頭を下げた。

奢らせてください、と言われたのを断れなくて、何となく隣で飲み始めた。
注文したものが届いたところで、改めて挨拶をされて、気になっていたあの行動の理由を聞いた。

そしたら、なんとまあ男の方が本当にクズ。
そして思い出す、彼女が出ていったあとのあの男の行動。

さーせん、なんてヘラヘラして多めにお金をおいて出ていった。
誠意のかけらもない謝罪だった。
クズすぎる。


「いや、Aさん悪くないっしょ」

「うう…優しくしないでください〜」


泣いちゃう〜なんて言いながら、全く泣く素振りなんてなくビールを煽ってる。
おお、いい飲みっぷり。


「〜〜〜っ！！！うまい！！！もう一杯！お願いします！」


そして元気よく再注文。
気持ちいいなこの人。

いい意味で壁がない。
どうやらおれのこともあんまり知らないみたいでぐいぐいこないし、すげー好感持てる。


「渡辺さんも飲みませんか？」

「あんま強くないんだけど…でも、もう一杯飲もうかな」

「はい！ご主人！ワンモアでーす！」


さっきまで店主にペコペコしてたのに、もう仲良くなってる。
マジでどこからくるんだ、このコミュ力。

すぐ持ってきてくれたビール2杯。
もう一度乾杯して、お互いにビールを煽った。





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