貴方side ページ8
.
.
自分の家に帰る前に、ミヤビちゃん家に寄った。
海を後にする時に、彼女から��起きてるからいつでも帰っておいで��ってメッセージが来てたから。
それに荷物もあるし、ちゃんとお礼も言いたくて。
ミ「……A、おはよ」
『おはよう、ミヤビちゃん』
バイクのエンジン音に気づいたのか
私がインターホンを鳴らす前に玄関を開けた彼女。
私の顔を見るなり、肩を落として
息を吐くように笑った。
ミ「なんか顔、吹っ切れてんね」
『え、』
ミ「慎太郎も」
「……うるせ」
彼女は全部、お見通しみたい。
私に顔を近づけて、詳しく話聞かせてね。とウインクした。
『ミヤビちゃん、あの、』
ミ「うん？」
『自分の家、…帰る、ことにした……』
そう言った私に、少し驚いた顔をしたけど
すぐにそっか、と微笑んでくれた。
慎太郎くんが私を宥めてくれたって気づいたのかな。
ミ「…これ、はい。」
『ありがとう』
彼女の家に置いていた荷物を受け取って
またバイクに乗る。
ミ「また何かあったらすぐおいで」
そんな優しい言葉をかけられて
また泣きそうになった私を彼女は泣くな！とほっぺ抓った。
『い、いひゃい……』
ミ「Aは笑ってた方がいい」
家帰って落ち着いたらまた遊びの計画立てよう、と言ってくれたミヤビちゃん。
うん！と込み上げる涙を我慢して笑えば、
嬉しそうに手を振ってお見送りしてくれた。
『……ありがとう』
「……ん」
あっというまに家の前まで来てしまった。
この幸せな時間、空間を噛み締めるように私の動きが遅くなる。
ヘルメットを彼に渡して
背を向けるまで、どれだけ時間がかかったのだろう。
『ばい、ばい……』
「…またな」
門を開く前、名残惜しくて振り返ったら
慎太郎くんがバイクから降りてぎゅっと抱きしめてくれた。
嬉しすぎて彼のシャツを力強く握りしめちゃった私。
「堂々としてればいいから」
『え？』
「Aは間違ってねーよ」
『……っ、…うん』
こうやって家を飛び出したことを悪いと思わなくていいって言ってくれてるみたいで。
私の心の精神までも安定させてくれる彼の言葉は
どんな薬よりも効果がある気がする。
「連絡待ってっから」
『うん』
「絶対しろよ」
『うん』
大きい手が頭から離れる。
私は胸張って玄関のドアを開けた。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1045人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SixTones」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
蝶-アゲハ-(プロフ) - さつきさん» 感想ありがとうございます！なんと、！？そんな読んでいただけてたなんて嬉しいです！これからもよろしくお願いします！(土下座) (2021年8月31日 8時) (
レス) id: 7d431f17aa (このIDを非表示/違反報告)
さつき(プロフ) - 完結お疲れ様です！更新されるたびにドキドキしながら読まさせて頂きました^ ^完結が待ちきれなくて何度も初めから読んだりするほど大好きな作品です！次のお話も楽しみにしています！！ (2021年8月31日 2時) (レス) id: 0e07e9da53 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：蝶−アゲハ−
| 作成日時：2021年5月28日 0時
