貴方side ページ47
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私1人では十分すぎるベッド。
無機質なアラームで目が覚めて、
家政婦のおば様が作ってくれた朝ごはんをお父さんお母さんと一緒に食べた。
髪の毛を整えて制服に着替えては
リビングにいる皆に行ってきますと告げ、家を出る。
学校が近づくにつれ、増えてくるおはようの声。
登校時に鳴るチャイムの音。
下駄箱のロッカーが開閉する音。
運動場で朝練をしてる人達の掛け声。
廊下で遊んでる生徒の声。
それと＿＿＿＿＿
「おはよ」
大好きな人の声。
孤独で自分が違う世界にいるように感じてた私を、同じ世界だと思わせてくれたのは間違いなく彼と、その周りの大切なお友達だ。
いつもの屋上。
いつものように寝転がって目を瞑ってる姿にクスッと笑って近づく。
また染め直した彼の金に近い髪の毛は風に吹かれ靡いてた。
『ミヤビちゃんが慎太郎くんに言いたいことあるって言ってたよ』
「嫌な予感しかしねぇから絶対行かない」
口は相変わらずだけど、表情は初めて会った時より全然柔らかい。
「…なにしてんの」
って、太陽の光を眩しそうにして目を開けた彼が私を見る。
その目はとても優しかった。
『慎太郎くん見てる』
「ふは、見んな」
『へへ、…1時間目始まるよ』
その言葉を聞いて彼は面倒くさそうな顔をして、むくりと起き上がる。
何も言わなくても思ってることが顔にすぐ出るのは相変わらずのよう。
「……いかねぇの？」
『慎太郎くんは？』
「Aが行くなら行く」
優しく微笑んで、私の頬を片手で触る。
『私が行けばホントに来るの？』
「ん、そうだな」
と言ってるそばから私を抱きしめるから身動きが取れない。
元々、教室に行く気なんて無いんじゃない。
私も戻る気なんてなかったけど。
そのままゆっくり倒れて、2人して日向ぼっこ。
あぁ、サボりなんてしたことないのにな。
腕枕をしてくれてる慎太郎くんの横顔を覗く。
彼の目をつぶって寝ている姿をじっと見つめて…
彼のせいで私は色々変わった。
彼のおかげで私は救われた。
＿＿＿＿＿＿＿＿時々、この世から消えたくなる。
そんなことはもう思わないよ。
今は、貴方の側にずっといたい。
生きていたいと思う。
1時間目を知らせるチャイムが鳴る。
彼の胸を借りて、私もそっと目を閉じた。
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-FIN-
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蝶-アゲハ-(プロフ) - さつきさん» 感想ありがとうございます！なんと、！？そんな読んでいただけてたなんて嬉しいです！これからもよろしくお願いします！(土下座) (2021年8月31日 8時) (
レス) id: 7d431f17aa (このIDを非表示/違反報告)
さつき(プロフ) - 完結お疲れ様です！更新されるたびにドキドキしながら読まさせて頂きました^ ^完結が待ちきれなくて何度も初めから読んだりするほど大好きな作品です！次のお話も楽しみにしています！！ (2021年8月31日 2時) (レス) id: 0e07e9da53 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蝶−アゲハ−
| 作成日時：2021年5月28日 0時
