貴方side ページ41
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慎太郎くんは近くに停めてあったバイクで
颯爽と帰ってしまった。
でも寂しくない…彼に勇気を貰ったから。
私、ちゃんと言うよ。
母「A、話せる？」
リビングに戻れば、頭を抱えたように座るお父さんと申し訳なさそうな表情を浮かべるお母さんがソファに座っていた。
お母さんは私が死のうとした理由までは知らないみたいだった。
『…この世から消えたかった』
��九条��という名前に苦しんでたこと
ずっと孤独だったこと
死のうとしたあの日のこと
全てを喋った。
『生きていても意味がないし、悲しむ人もいない。なら死んだ方がマシって思った。』
そして、屋上から飛び降りようとした私を救ったのが慎太郎くんだったということも。
『彼は私をずっと守ってくれた。ミヤビちゃんだってジンくんだってそう。孤独だった私を救ったのは間違いなく彼らなの。』
生きることが楽しいって思うようになったのも
学校に行きたいと思えるようになったのも
全部、彼らのおかげ。
『だから……学校に行かせてほしい。私、もっと自由に生きたい。』
お父さんやお母さんにこんなに喋ったのは初めて。
2人がずっと黙って私の話を聞いてくれたのも初めてだと思う。
…そして、お父さんが涙を浮かべている姿を見るのも初めてだった。
『お父さんは、私の事嫌いなの…？』
父「嫌いなわけないだろ……！？」
私の質問に対してお父さんは食い気味に答えた。
その振動から涙が一筋流れ落ちる。
父「1番、…大事に決まってる。」
『……っ、』
その言葉だけで、今の私には十分だった。
お父さんは私が嫌いで苦しめたいんだと思ってた。
…けど、本当は大事にしたいからこそ厳しくしていただけなんだって。
父「俺はAに変な虫が付かないようにしたかっただけなんだよ……悪い奴らに流されてしまわないように守りたかっただけだ……」
すまない、とお父さんが謝った。
震える左手を自分の右手で抑えるようにしながら。
お父さんが私に謝るなんて…と
驚きながらも何処か嬉しい自分がいた。
私の事、やっとわかってくれたんだって。
『もう高校生だし、悪い人と良い人の区別くらいわかるよ』
父「そう、だよな…」
笑ってそう言えば、気まずそうに涙を拭うお父さん。
お母さんはそんなお父さんを見て��不器用な人��と泣きながら笑った。
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蝶-アゲハ-(プロフ) - さつきさん» 感想ありがとうございます！なんと、！？そんな読んでいただけてたなんて嬉しいです！これからもよろしくお願いします！(土下座) (2021年8月31日 8時) (
レス) id: 7d431f17aa (このIDを非表示/違反報告)
さつき(プロフ) - 完結お疲れ様です！更新されるたびにドキドキしながら読まさせて頂きました^ ^完結が待ちきれなくて何度も初めから読んだりするほど大好きな作品です！次のお話も楽しみにしています！！ (2021年8月31日 2時) (レス) id: 0e07e9da53 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蝶−アゲハ−
| 作成日時：2021年5月28日 0時
