貴方side ページ37
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…毎日、家庭教師が来る。
数式やら文法やら、私が理解してるかなんてお構い無しに時間がくるまで喋って帰っていく。
彼らはお金が貰えればそれでいい、と思ってるから私が話をちゃんと聞いてない事に対して全然怒ることなく気にする様子もない。
数時間の勉強を終えたら、おば様がご飯を持ってくる。
-少しは食べてください
と心配されるけど、食欲は全然ない。
…学校に行かなくなってからずっと。
お風呂に入る度、鏡に映る自分を見て痩せたなって思うけど、別にいいやって。
母「A、」
コンコンとノックされた扉
返答もせず、ただいつもの様に窓から空を見上げてたら、入ってきたのはお母さんだった。
か細い声で名前を呼び、私と少し距離を取って立ち止まったお母さん。
母「ご飯、食べてないの？」
『食欲ない』
母「…でも食べないと」
扉近くのテーブルに置かれたご飯を見て
お母さんはため息をついた。
母「A、」
『…な、に…？』
何かと思えば、ゆっくりと近づき
私を抱きしめたお母さん。
優しく包まれ、少し驚いた。
母「Aの事、全然理解してなかった…ごめんね」
『なん、で…そんな』
母「あなたの話をちゃんと聞いてあげられてなかった、」
お母さん、どうしたんだろう。
そんな事言うなんて、
私の頭をゆっくりと撫でて、体を離すと
母「学校、楽しい？」
『…え、………』
母「Aの友達はどんな子達なのかしら」
お母さんに聞かせてちょうだい？と優しく微笑む。
『……ミヤビちゃんって子がいて、』
母「うん。」
私は少しずつ、お母さんにミヤビちゃん達の事を話した。
ずっと孤独だった時に助けてくれたことや、色んな遊びを教えてくれたこと、ミヤビちゃん達に出会ってから世界が変わったこともいっぱい。
お母さんはそれをうんうんって相槌を打ちながら聞いてくれた。
全て聞いた後、お母さんはAが学校に行けるようにお父さんに一緒に言ってみよう。と言ってくれた。
『え、大丈夫なの…？』
母「お母さん、Aが笑ってる顔を見たいの」
いつもお父さんの言いなりになってたけど
少しは母親らしいことしたいから、と苦笑い。
母「ごめんね、こんなお母さんで。」
『ううん、そんなことない』
謝らなくていい、十分。
お母さんが私を理解しようとしてくれた、
それだけで絡まった糸が少し解けたような気がした。
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蝶-アゲハ-(プロフ) - さつきさん» 感想ありがとうございます！なんと、！？そんな読んでいただけてたなんて嬉しいです！これからもよろしくお願いします！(土下座) (2021年8月31日 8時) (
レス) id: 7d431f17aa (このIDを非表示/違反報告)
さつき(プロフ) - 完結お疲れ様です！更新されるたびにドキドキしながら読まさせて頂きました^ ^完結が待ちきれなくて何度も初めから読んだりするほど大好きな作品です！次のお話も楽しみにしています！！ (2021年8月31日 2時) (レス) id: 0e07e9da53 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蝶−アゲハ−
| 作成日時：2021年5月28日 0時
