貴方side ページ13
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「なぁーA、上行かね？」
『まだ1時間目終わったばっかだよ？』
慎太郎くんは案の定、授業時間全てを睡眠にしてチャイムと共に目覚めた。
寝起きの嗄れた声で私を呼んだかと思えば、手を握られて屋上に行こうと誘われる。
ほっぺを机にくっ付けたままこちらを向く彼に
私はお昼まで屋上行かないよ、と告げると小さな舌打ちをされた。
「あと3時間もムリ」
『どうせ寝るでしょ？』
「座りながら寝るのキツいんだよ」
『じゃあ起きよ』
起きるのもムリってヤイヤイ言ってるけど
手は全然離してくれなくて。
言い方は冷たいのに行動は甘いってなにそれ。
『慎太郎くん、じゃあなんで教室来たの』
朝聞いた時はなんとなく？ってかわされたし
ミヤビちゃん達には私と一緒にいたいからってイジられてちげーよ！って言ってたけど
本当に寝るし、教室来なくてもよかったじゃんって思っちゃって。
それにまだ注目浴びてるからね。私たち。
恥ずかしいからこの手を離して欲しいのに…
拗ねたような口調で聞いてしまった私に慎太郎くんは
「…Aとなら授業受けてみよっかなって思ったんだよ」
『え？』
そう言って、握られた手にさらに力を入れて握り直した。
彼は私を数秒見つめた後、いきなり自分の机を動かし始める。
『何してるの！？』
「これで俺、寝ない」
ガタガタと音を立てて近づいてきたそれは
私の机の横にピッタリくっつけられて
彼との距離が必然的に近くなる。
一瞬離れた手はまた絡め取られるように大きい掌に包まれて。
机の下、彼の太ももの上に乗せられる。
『近い…っ！』
「今更何言ってんの」
数十センチ近くなった慎太郎くんが
パッとこちらを向いて、意地悪に微笑んだ。
『寝る寝ない関係あるの…？』
「ある、大アリ」
『手は…離してね』
「ヤダ」
ヤダってそんな可愛く否定されても、
今度は私が授業に集中できないじゃん。
終いには、俺こうしとこっかなー。なんて頬杖ついて私をずっと見てくるの。
『ヤダ…』
「んは」
『あっち向いて』
2時間目を知らせるチャイムが鳴っても
彼は机を元に戻さなくって
教科書無いから一緒に見るって肩をくっつけてきたり、まったくわかんねぇ教えて？と顔を覗き込んできたりするから
……本当に集中できなかった。
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蝶-アゲハ-(プロフ) - さつきさん» 感想ありがとうございます！なんと、！？そんな読んでいただけてたなんて嬉しいです！これからもよろしくお願いします！(土下座) (2021年8月31日 8時) (
レス) id: 7d431f17aa (このIDを非表示/違反報告)
さつき(プロフ) - 完結お疲れ様です！更新されるたびにドキドキしながら読まさせて頂きました^ ^完結が待ちきれなくて何度も初めから読んだりするほど大好きな作品です！次のお話も楽しみにしています！！ (2021年8月31日 2時) (レス) id: 0e07e9da53 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蝶−アゲハ−
| 作成日時：2021年5月28日 0時
