貴方side ページ2
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『うそっ……』
その音に釣られて、勢いよく部屋から飛び出し
玄関を抜けた。
すると、やっぱり。
『慎太郎、くん……！』
ヘルメットを取って、ワシャワシャと自身のその髪の毛を掻いた人物。
それをミラーの所に引っ掛けて、エンジンを切った彼が連絡しろって言ったぞ。と私に歩み寄る。
今日で脆くなっちゃったな、私。
彼の姿を見て、さっき止まったばかりの涙が
またもや溢れ出た。
「え？ちょ、」
ミ「あー、慎太郎泣かしたー」
「いや、違くない？」
すぐ後ろにいたミヤビちゃんに言われて
少しアタフタする彼の肩に思わず頭を預けた。
『なん、で…いるの…っ』
「…っ、」
慎太郎くんに連絡したら、頼ったら、
絶対泣くし面倒臭いって思われたくなくて、
だから1度掛けようと思った電話も我慢したのに。
ミ「慎太郎、」
「……あー、」
彼の肩で泣く私を、慎太郎くんは
ゆっくり抱きしめてくれた。
ぎこちなかったけど、それでも嬉しくて
『っ、ミヤビちゃんが連絡したの？』
ミ「うん、Aに必要だと思って」
『っ！』
ミ「慎太郎もAの事心配そうだったし？」
「は？おい！」
あんたら直接連絡しなさいよ、と捨てるように言葉を放つミヤビちゃん。
……心配、してくれてたんだ。
彼が私の肩をポンポンと2回叩いた。
やっと泣き止んだ私は彼と少し距離を取る。
ミ「んで、どーする？家ん中入る？」
「あ、いや、いーわ」
『え、もう…』
……お別れ？
こんな数分で？
慎太郎くんはそんな事思ってる私にお構い無し。
私の泣き顔を見て、ふはって笑う。
ミ「なに？帰るの？」
「ちょっと行くとこある」
『やだ……』
もう思ってること全部口に出しちゃうよ？
それくらい弱ってるの、私。
また会えたのに、こんなすぐ別れるの嫌だって
地面を見て、涙を我慢する私に
慎太郎くんはお前も一緒に行くの、と言う。
『え？』
「夜更かし、出来る？」
余裕そうな表情で顔を覗き込まれる。
うん、と首を縦に振れば
よし、行くぞ。とヘルメットを渡された。
初めてだ。慎太郎くんの後ろ。
ジンくんとはまた違うその機体に乗って
彼がエンジンをかけた。
ミヤビちゃんが気をつけてねーって手を振る。
「掴まって」
『う、うん。』
彼の背中へ、自分の心臓の音が聞こえてしまいそうだった。
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蝶-アゲハ-(プロフ) - さつきさん» 感想ありがとうございます！なんと、！？そんな読んでいただけてたなんて嬉しいです！これからもよろしくお願いします！(土下座) (2021年8月31日 8時) (
レス) id: 7d431f17aa (このIDを非表示/違反報告)
さつき(プロフ) - 完結お疲れ様です！更新されるたびにドキドキしながら読まさせて頂きました^ ^完結が待ちきれなくて何度も初めから読んだりするほど大好きな作品です！次のお話も楽しみにしています！！ (2021年8月31日 2時) (レス) id: 0e07e9da53 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蝶−アゲハ−
| 作成日時：2021年5月28日 0時
