貴方side ページ9
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人とあんなに喋ったのはいつぶりだろう。
家でも家政婦のおば様と必要最低限の事しか話さないし、お母さんともお父さんともあまり会話をしない。
同年代なんてもってのほか。
なんだか、疲れちゃった
でもそれと同時に、少し楽になった。
寂しいと言葉にしたからなのか、彼とお喋りしたからなのか、わからないけど。
彼は私のことを知らなかった
九条グループ取締役の娘だと。
だからあんな態度だったし、喋りかけてきた。
さっきまでの出来事を思い返しながら教室に帰る。
あぁ、もう戻る気もなかった空間
だけど、屋上にいた彼のせいでまたこの日常に引き戻された。
＿＿＿＿＿＿＿寂しいならまた来いよ
帰り際に言われた一言が頭の中で木霊する。
来んなって言ったり、来いよって言ったり
どっちよ、って思ったけど
やっぱり彼は優しいと思った。
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何事も無かったかのように帰宅すれば
出迎えてくれたのはいつものおば様。
お帰りなさいませとだけ言って、掃除に戻って行った。
お母さんは相変わらず、家にいない。
それもそう。
お父さんの仕事を手伝ってるから、挨拶回りやら会食の接待やらで毎日忙しい。
たまに会う日は、少し喋るけどお母さんが疲れてるからと私が遠慮してしまう。
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自部屋のソファにゴロンと転がって天井を見上げる。
…昔はお母さんとよく一緒に料理をした。
小さい私に子供用の包丁を持たせてくれて
玉ねぎで泣いたり、ニンジンを星型に切ったり。
お父さんにバレちゃって、怪我するからヤメろと言われてからは出来なくなっちゃったけど。
唯一覚えてるお母さんとの楽しい思い出はそれだけだった。
最近は疲れてる顔しか見ていないし、
私の名前を力なく呼ぶお母さんに、私は休みなよ。と言うことしかできない。
最後に見た笑顔はいつだったっけ。
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ぼうっと見ていた天井に焦点が戻る。
そこは昔の記憶を消したように真っ白だった。
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蝶-アゲハ-(プロフ) - みーさん» うっへー！ありがとうございます！滝涙。語彙力なくてすいません。これからも読んでください！お願いします！！（土下座） (2021年5月24日 23時) (
レス) id: 7d431f17aa (このIDを非表示/違反報告)
みー(プロフ) - いつも楽しく読ませてもらってます！蝶-アゲハ-さんの書く小説がめちゃくちゃ好きです(;_;) (2021年5月24日 22時) (レス) id: ac72a53697 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蝶−アゲハ−
| 作成日時：2021年4月1日 0時
