貴方side ページ50
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『すいません、Aです。』
数十分でついたその家はまだ明かりがついてた。
自分の名前をインターホンに向かって伝えたら、Aちゃん！？どうしたの？って。
それだけで泣きそう。
ミ「A！？なに？どした？」
『……っ、ミ、ヤビちゃん……っ！』
玄関の扉が勢いよく開いて飛び出してきてくれたのはミヤビちゃん。
……あぁ、やっぱりダメだ。
我慢してたのに、彼女の顔見たら無理だった。
ドバァーと溢れ出る涙をミヤビちゃんは
あらあらこんな泣いて、と言って拭ってくれる。
ミ「家帰ってないの！？」
『う、……っ、うぐ、』
ミ「ま、とりあえず入りな！！」
インターホンで出てくれたミヤビちゃんのお母さんも心配した目で私の頭を撫でてくれる。
もちろん私の家の事は知らないだろうから
この状況に大変驚いてるだろうに、
お家の中に招き入れてくれた。
ミ「家には帰ったんだよね？」
『ぐすっ……う、ん……』
ミ「ん、…大丈夫大丈夫。」
嗚咽して喋れない私を急かすわけでもなく
ずっと隣で肩を摩ってくれる。
理由もなにも知らないのに、こんな夜に押しかけてしまった私をミヤビちゃんは文句1つ言わない。
……お金目当て？
そんなわけないじゃん。
お父さんの言葉に心の中で否定した。
『ご、めんね……』
ミ「ん？なにが？」
『家に……っ、来ちゃって』
少し落ち着きを取り戻し、家に来たことを謝ると
彼女はそんな事で謝らない！と言って
ミ「Aが1人で泣いてるほうがムリ」
だからミヤビのとこに来てくれて嬉しいよ、って
笑うから止まりかけてた涙がまた流れ出す。
『ぅ…ん〜〜、ミヤビちゃん…っ！』
ミ「わ！もう泣かないの！目が腫れちゃうでしょ」
……こんなにたくさん泣いたのはいつぶりだろうか。
基本、泣いても1人。
ずっと、止めるのは自分自身しかいなかったんだけど。
今はミヤビちゃんが私の目にタオルを当ててる。
どんどん溢れて止まらないソレを
拭ってくれる人がいるだけで私は幸せに感じた。
いつしか泣くことも無くなったけど…
そういえば、あの屋上で何年かぶりに私の涙を引き出したのは慎太郎くんだったね。
……あぁ、やっぱり彼に会いたい。
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蝶-アゲハ-(プロフ) - みーさん» うっへー！ありがとうございます！滝涙。語彙力なくてすいません。これからも読んでください！お願いします！！（土下座） (2021年5月24日 23時) (
レス) id: 7d431f17aa (このIDを非表示/違反報告)
みー(プロフ) - いつも楽しく読ませてもらってます！蝶-アゲハ-さんの書く小説がめちゃくちゃ好きです(;_;) (2021年5月24日 22時) (レス) id: ac72a53697 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蝶−アゲハ−
| 作成日時：2021年4月1日 0時
