貴方side ページ49
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『いい加減にしてほしい。』
父「は？」
『私をなんだと思ってるの？タダの人形？もう高校生なの！自由にさせてよ！！』
ダムが崩壊し溢れ出た水みたいに、口が止まらない。
勢いよく立ち上がった私をお父さんは驚いて見上げる。
『��九条充の娘��？知らないわよ、そんなの。私の人生を決めないで！！こんなの父親でもなんでもない！！』
父「っ！お前っ！！」
パンッ、と肌がぶつかる音がした。
その瞬間、私の頬からヒリヒリと痛みを感じる。
…あぁ、叩かれたんだ。
髪の毛の間からお父さんを睨めば、
自分でも何をしたかわかってないみたいに目を泳がせた。
『………もう、いい』
父「……いや、待ってくれ。A、違う」
『こんな家なんか……』
何を言ったってもう遅い。
家族の温かさなんて何一つないこの家に
居たいなんてコレっぽっちも思えない。
『大っ嫌い！！！』
駆け出した私の腕を掴もうとしたお父さん。
少し触れたそれをいとも簡単にすり抜けて、
リビングから玄関まで扉を雑に開けて飛び出した。
…お母さん、ごめんね。
お母さんが家に居たのはわかってた。すぐ隣の部屋にでも居たんだろうな。
だけど、無理だった。もう居続けるのは。
静かな高級住宅街。
かすかに聞こえる声に耳を塞ぎたくなる。
1人でとぼとぼと歩きながら、カバンから携帯を取り出して、お母さんに暫く家に帰らない。って連絡した。
画面が、じわりと滲む。
……泣きたくない。
我慢して、私。
21時18分
こんな夜に外にいるのは初めてだった。
ふと目に入った公園。
通学の時にいつも通るけど、もちろん遊んだことは無い。
そんな寝静まった公園のベンチに座って空を見上げた。
……家出、しちゃった。
それだけしか考えられなくて、この後どうするのか
なんて全く想像出来てない。
あんなお父さんの顔初めて見た。
初めてだよ、あんなに叫んで反発したの。
今まで溜めてたものを発散して
少し楽になったけど、
それと同時に、虚しくもなった。
��何かあったら連絡して��
数時間前の彼の言葉を思い出したけど、
気づけば別れたばっかりの暖かい家に向かってた。
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蝶-アゲハ-(プロフ) - みーさん» うっへー！ありがとうございます！滝涙。語彙力なくてすいません。これからも読んでください！お願いします！！（土下座） (2021年5月24日 23時) (
レス) id: 7d431f17aa (このIDを非表示/違反報告)
みー(プロフ) - いつも楽しく読ませてもらってます！蝶-アゲハ-さんの書く小説がめちゃくちゃ好きです(;_;) (2021年5月24日 22時) (レス) id: ac72a53697 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蝶−アゲハ−
| 作成日時：2021年4月1日 0時
