貴方side ページ45
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金魚すくいの屋台に行くと、数人の子供たちが必死になって金魚を追いかけているのが目に映る。
「しゃがめる？」
『うん』
子供たちの間に入れてもらって、おじちゃんから道具を貰う。
もちろん、するのは初めて。
隣にいる男の子がやってるのを
見よう見まねでしてみるけど、
『うぇ！破れた！』
「思いっきりやりすぎ」
開始1秒で終わった……
慎太郎くんがやっぱりな、と言いたそうな顔して笑う。
『もう1回、お願いします』
「ゆっくり動かして」
『んー、…こう？』
そうそう、と教えてくれるんだけど、
なにせ初心者だからそうすぐには上手くなれない。
ポイの一部がまた破れる。
『あ！また破れちゃった』
もうダメだ、と水の中から出して、
おじちゃんに返そうとしたらそのポイごと彼に掴まれた。
「まだ半分使える」
『え？』
慎太郎くんに握られたままの右手。
そのまま水の中に入れられて、彼が私の手を動かす。
熱がそこに集まってなにも考えられない私とは裏腹に、彼は狙った金魚を巧みに掬って取ってくれた。
「ほらいけた！」
『…え！凄い！』
「コツがいんの」
手元で泳ぐ小さな金魚。
持って帰ることも出来るらしいけど、
お世話できないからやめた。
「持って帰らなくてよかったの？」
『うん、楽しかったからそれだけで十分』
「あっそ」
こんな短時間でも慎太郎くんと2人でいれた事に満足してるからいいの。
彼には言えないけど、心の中でそう呟く。
半歩先を歩く慎太郎くんが、あっと何かを思い出したように止まってこちらを向いた。
『なに？』
「腕、掴まらなくていいの？」
『え？』
そう言って、彼はズボンのポケットに手を入れたまま
腕を動かした。
必要ないならいいけど、と言うから
焦って必要！！って叫んじゃった。
「はは、本当かよ」
…本当だよ。
私、慎太郎くんが必要なの。
彼といる時だけは何も考えなくて済む。
ただ、好きって思う時間が流れるだけなの。
ミ「あ！いた！」
神「2人でどこ行ってたんだよ！」
すでに戻っていた2人。
心配したぞ！というジンくんの手には焼きそばと唐揚げ。
『あ…ごめんね』
「ちょっと遊んでた」
ミ「へぇ〜デートですか」
いいですねぇ、とニヤつく彼女を見て
後でめちゃくちゃ聞かれると察知した。
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蝶-アゲハ-(プロフ) - みーさん» うっへー！ありがとうございます！滝涙。語彙力なくてすいません。これからも読んでください！お願いします！！（土下座） (2021年5月24日 23時) (
レス) id: 7d431f17aa (このIDを非表示/違反報告)
みー(プロフ) - いつも楽しく読ませてもらってます！蝶-アゲハ-さんの書く小説がめちゃくちゃ好きです(;_;) (2021年5月24日 22時) (レス) id: ac72a53697 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蝶−アゲハ−
| 作成日時：2021年4月1日 0時
