貴方side ページ23
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ゲームセンターを後にした私たちは
すっかり遊び疲れてすぐ解散した。
帰りはジンくんが送ってくれて。
久々に昔話をした。
おままごとでシェフとか言ってたよね、とか
お互いの家でかくれんぼしたら、広すぎて全然見つけられなくて挙句の果てに迷ったこと、とか
神「まじでAの家ってさ、1周回るのに時間掛かるのに隠れるとこありすぎだからあっとゆーまに時間過ぎんのよ」
『ジンくんの家もだったよ』
あの頃の私たちはそれなりに制限された中で楽しんでたと思う。
気づいてない、と言ったほうが合ってるのかもしれないけど。
神「そうだっけ?忘れたわ。もう家に帰ってないからなー」
『え?そうなの?』
神「…あぁ、」
初耳の私にジンくんは苦笑いでそっか。知らねーよな。と頭を搔いた。
神「Aに言ってなかったけど、中学ん時に親父に反抗して家出、したんだよね。」
『え、じゃあ…』
ジンくんが荒れたことは知ってたし、それからジンくんのお母さんやお父さんとも会わなくなっちゃって話も聞いてなかったから全く知らなかった。
ジンくんは、家出した後
慎太郎くんの家に住んでたらしい。
神「慎太郎の世話になりっぱなしも嫌で、高校からは一人暮らししてる。」
『そっか…お金とかは大丈夫なの?』
神「んーまぁ、バイトしてるし…それに、」
お母さんとは今でも連絡してるらしく、ちょくちょくお金も送ってくれるとか。
ジンくんは恥ずかしそうにして
神「結局は親を頼ってんだよな。情けねぇけど」
と、とぼとぼ歩く。
明るい見た目からは寂しそうな背中が見えた。
『だけど、立派だよ。ジンくんは』
神「そんなことないよ」
『…あるよ』
立ち止まった私に釣られて彼が振り向く。
コンクリートの地面を見つめてたら
頭に乗った大きな手。
神「ありがとな」
2回、ポンポンと私の頭を撫でたジンくんは早く帰ろ、と言って私を家の前までしっかり送ってくれた。
出迎えてくれたおば様はまだ私を疑ってるような雰囲気だけど、親には伝えてないみたいで安心した。
『楽しかったぁ……』
寝る前、ベッドにダイブして数時間前の事を遡る。
とても刺激的で一瞬の時間だった。
カバンの取っ手部分にぶら下がるクマのぬいぐるみ。
見るだけで自然と口角が上がる。
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蝶-アゲハ-(プロフ) - みーさん» うっへー!ありがとうございます!滝涙。語彙力なくてすいません。これからも読んでください!お願いします!!(土下座) (2021年5月24日 23時) (レス) id: 7d431f17aa (このIDを非表示/違反報告)
みー(プロフ) - いつも楽しく読ませてもらってます!蝶-アゲハ-さんの書く小説がめちゃくちゃ好きです(;_;) (2021年5月24日 22時) (レス) id: ac72a53697 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蝶−アゲハ− | 作成日時:2021年4月1日 0時