貴方side ページ22
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「ミヤビ、どけ」
その瞬間、ふわっと香る彼の匂い。
少し、彼の肩が当たる。
私とミヤビちゃんの間を割り込むように
慎太郎くんはガラスの中を覗いた。
「どれが欲しいんだっけ？」
『え、あ、…あのクマの…』
すると、慣れた手つきでボタンを押して
クレーンを下ろしてしまった。
クマのぬいぐるみの丁度、脇の下に入り込んだそれは見事に持ち上げてくれて。
ガコン！と落とされたぬいぐるみを慎太郎くんは私に渡してくれた。
『え…』
「ほら、あげるよ」
グイッと押し付けられるように渡されたそれ。
受け取って、ありがとうとお礼を言えば
「ん。」
そっぽを向いて返事をした彼。
ミ「慎太郎ずるい！ミヤビがあげたかったのに」
「お前が下手すぎて我慢できなかったわ」
ほら、取れたんだし帰るぞー、
早々と出口に向かう慎太郎くんにミヤビちゃんが悔しそうに後を追う。
サッと隣にきたジンくんが、よかったな。と微笑んだ。
『うん、嬉しい』
神「…惚れた？」
『え？誰に？』
神「慎太郎に」
クマの頭を撫でていた私は、勢いよくジンくんの方を見た。
面白がるように片眉をあげた彼と目が合う。
『惚れてないよ！』
………かっこいい、とは思ったけど。
全力で否定した私に、ジンくんは
そっか。と笑って前の2人を追いかけた。
慎太郎くんは、最初こそ無愛想でチャラいただのヤンキーだって思ってたけど
根は優しい人だと会う回数を重ねる毎に思う。
だけどまだ、彼と本当に打ち解けてはいない気がする。
数週間前の私はそんな事全然気にしなかったし、寧ろ関わりたくないとも思ってたけど
ミヤビちゃんやジンくんとも会えて
人と話すことが楽しいという感情を知ってしまった。
…慎太郎くんともっと仲良くなりたいと思ってしまうのは、おこがましすぎる？
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蝶-アゲハ-(プロフ) - みーさん» うっへー！ありがとうございます！滝涙。語彙力なくてすいません。これからも読んでください！お願いします！！（土下座） (2021年5月24日 23時) (
レス) id: 7d431f17aa (このIDを非表示/違反報告)
みー(プロフ) - いつも楽しく読ませてもらってます！蝶-アゲハ-さんの書く小説がめちゃくちゃ好きです(;_;) (2021年5月24日 22時) (レス) id: ac72a53697 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蝶−アゲハ−
| 作成日時：2021年4月1日 0時
