慎太郎side ページ6
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松「どうも」
すらっとした高身長の男性は、��松村です��と名乗った。
カズさんの知り合いだって聞いてたからてっきりカズさんと同世代かと思ってたけど、結構若い。
カ「こいつらと歳は同じくらいか？」
松「おそらく」
カ「そうか、仲良くやってくれ」
カズさんにポン、と肩に手を置かれた彼は
薄らと笑みを浮かべ、こちらへ会釈した。
つられて俺らも軽いお辞儀。
田「本日からお世話になります、田中です」
「森本です」
カ「あと、ジェシーって奴がいるんだけど…今アイツ、車にいるからまた後で。」
松「わかりました」
一通りのメンバーを紹介した後、自然と目線が集まるのは、クライアントである彼女。
見られている事に気づいて、俺らを視界に入れた彼女は何も発言することなく頭を軽く下げた。
それを見た松村さんが、��今回、お世話になるAです��と横から入る。
長年、この仕事をしていればこういうタイプのクライアントだって山ほどいたから差程気にはしない。
干渉することもないしね。ただ、1年という期間だから少し、心配になるけど。
カ「さ、そろそろ行こうか」
カズさんの一言で動き出す俺ら。
クライアントの前に俺と樹。
後ろに松村さんとカズさんが付く形でラウンジからジェシーの待つ車へ向かう。
松「A、帽子とマスク」
彼女が松村さんに無理やり付けられた帽子は深めで目を隠すようにされた挙句、マスクは彼女の顔より一回り大きいサイズ。
サイズが合って無さすぎて逆に不審じゃねぇか？と思わず笑いそうになったけどここは仕事モード。
極秘って言ってたしその格好すんのは当たり前だもんな。
「間もなく出口」
ジ「了解」
俺の無線に向こうからジェシーの返答が聞こえた。
黒いワンボックスカー、俺らが近づくとタイミングよく扉が開かれる。
先に俺が乗って、クライアントを前後で樹と挟むように座る。助手席にはカズさん、1人席の所には松村さん。
『北斗、アイマスクは？』
松「はい」
ホテルへ向かう道中、彼女の声を初めて聞いたのがその時。
松村さんからアイマスクを受け取った彼女は、すぐに眠りについた。
カ「ホテルには13時着予定だ」
「了解」
走って数十分。
普段の雑談もない静かな車内、沈黙を破ったのは松村さんだった。
松「昔ね、カズさんに助けてもらった事あるんですよ」
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作者名：蝶-アゲハ-
| 作成日時：2022年3月1日 0時
