S・MISSION－1－ (ページ46)

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慎太郎side ページ46

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「よう。久しぶり」

＂いや、まさかお前から連絡来るなんて＂

警視庁の近くの公園。

ベンチに座っていた少し猫背の男は俺を見て手に持っていた缶コーヒーを持ち上げた。

1つ、新しいソレを受け取って隣に座る。

「高地、変わんねーな」
高「慎太郎もな」

今も尚、SPとして警察にいる高地は、俺らがいた頃からずっとこの仕事を続けている唯一のツテ。

高「カズさんから連絡来た時はまじで何事かと思った」
「ごめんな、忙しいのに」
高「いや？全然」

遊具で遊ぶ子供達を眺めながら高地は＂今更、鷲尾のこと調べてるんだって？＂と眉間に皺を寄せた。

「うん、まぁ色々あって」
高「お前らの大嫌いな鷲尾先生の何が知りたいの？」
「おい、その言い方…」
高「わりぃわりぃ」

まぁ、強く否定もしねぇけど。

過去の警察がもみ消した事件の証拠があるかどうかを教えて欲しいと高地に言えば、＂証拠はあるだろうけど、そんなん上層部しかわかんねぇ＂と即答。

「え、高地って割と上の役職だろ？」
高「まぁな。カズさん抜けて、その後お前らも居なくなって俺しか居なかったんだから」

年功序列で自然と警部にならざる負えなかったんだよ！と駄々をこねた子供のように俺に言う。

「まじか！高地が警部！？」
高「そんな驚くか？」
「いやぁ、時代も進んだなぁと」
高「バカにしてんじゃん」
「してないよ！」

もうすぐ警視に上がるかもしれない、と独り言のように言った高地。

いやぁ、まじかよ！かなり上だぞ、そんなん。

目を見開く俺を見て吹き出すように高地が笑った。

「つか、警部だったら証拠掴めんじゃないの？」
高「いや、いくら俺でも鷲尾関連の事件はシークレットにされてる」

高地は昔から、俺らと一緒だった時も上の指示を真面目に受ける人だった。

逆らうこともなく裏切ることも無く、ただ任された仕事を完璧にこなす。組織としてはとても素晴らしい人材だ。

＂俺は敷かれたレールの上を走るタイプだから＂と俺が警察を辞める時にそう言っていたのを思い出す。

「まじかぁぁ」

長年働いて信頼を得ているはずの高地でさえ、鷲尾の事を教えて貰えないとなるとかなり難しい話になってくるな。

やはり、実際の現場を押さえるしかないのか…

「警視総監のPCパクってきて」
高「無理に決まってんだろ」

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