S・MISSION－1－ (ページ43)

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慎太郎side ページ43

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俺らはその後、Aの警護をローテーションで回しながら鷲尾についても調べていったが、

よく考えれば、そいつの事をよく知ってるのは
俺らのボスであるカズさんだ。

あの人が警察にいた時代、鷲尾の一番近くにいたのは皆知ってる。

カ「復讐？」
「はい、Aは過去にあった鷲尾の不祥事を全部世間に公表しイメージダウンさせたいと」
カ「……ほぅ」

カズさんはAの復讐の話を聞いて難しい顔をした。
＂そうか＂と。

「鷲尾の過去の証拠って警察は持ってないんすか？」
カ「恐らくな。鷲尾から消せという指示がいってるはずだ」

＂俺らの時もそうだったから＂と腕を組むカズさん。

カ「鷲尾は自分の手を汚さないし、証拠も残さない。そこはかなり徹底してる。掴むなら直接現場を俺らが抑えるしかないと思うぞ」
「……なるほど」
カ「まぁでも１回、知り合いに探り入れてみるよ」
「ありがとうございます」

＂にしても復讐を決めるとは＂と頭を抱えるカズさん。

鷲尾がどんな人間かを知ってるだけあって、ボスは首を縦に振りづらいのだろう。

「結婚した時も何かあったんすかね」
カ「家庭の事は…」

でも結婚から離婚までの期間が短かったから
鷲尾の素行が原因だろうとカズさんは思っていたらしい。

カ「鷲尾は世間一般からはそこまで恨まれる人間じゃないが、裏ではかなり嫌ってる人も多い」

協力してくれる人はそれなりに居そうだな、と乾いた笑みを浮かべたカズさんに俺も釣られて苦笑い。

「そうっすね」
カ「あれからスーツの男は見たのか？」
「…いえ、」

前に言っていたスーツ男。

あれから一切姿を現してなくて、俺らもたまたまだったのかなと思い始めてた頃だった。

カズさんに＂鷲尾の差し金かもしれないから気をつけとけ＂と言われたが、

「鷲尾が利用するとしたら殺し屋とかですかね？」

消そうとするなら警察じゃ動かしにくい。
ヤクザも自分に利益がある相手じゃなきゃ協力しないだろうし、そうなったら鷲尾が利用するのはそういう類の人達なのかなって。

カズさんは＂うーん＂と腕を組み、数分考える素振りを見せた。

カ「鷲尾なら…ありえるかもな。」

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