慎太郎side ページ40
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「Aのリスクもあるぞ？いいのか？」
一般人ならともかく、彼女は世界中から支持される有名モデル。
鷲尾と血縁関係があると知られれば、世間からのイメージダウンや仕事に影響が起こる可能性が高い。
彼女は問題を起こしてないとはいえ、父親が不祥事ばかりしていたと明らかになれば娘も…と勝手にイメージをつける人はそう少なくないだろう。
世の中は肝心な中身を知ろうとせず、上辺の情報を信じるクセがあるからな。
「前みたいに鷲尾がAを消しにくる可能性もまだあるだろ？」
『わかってる。だから北斗はフランスに帰そうとしてるんでしょ？』
「まぁ、…」
Aはゆっくり起き上がってまっすぐ俺を見つめた。
『ちゃんと皆にも話すけど、』
北斗にも、俺らにも全部話して納得いかないのなら
この1年間警護の契約も切るなら切ってもらってもいい。
彼女は彼女だけでも全て終わらしたい、と。
『元は私一人でやるつもりだったし』
「んなことさせるかよ」
『……っ、』
俺は食い気味に返した。
彼女一人で全部やらせるわけねぇって。
孤独にさせるわけないし。
「俺らがいれば鷲尾に近づきやすいし、身の危険を感じたら俺らが守れるじゃん」
『でも…』
「でもじゃない」
俺がなんでこの仕事してるのか忘れたのかよ。
ふっ、と笑って彼女の頭をガシガシと撫でたら、Aは照れくさそうな顔して��ありがとう��と小さく言う。
「そういう所は気にすんだな」
今まで俺の事、家政婦みたいに散々パシったくせに
身の危険を感じると急に億劫になるよな。
命に関わることだからかもしんないけどさ、
俺、結構エリートのSPだったんだから大丈夫だって。
『気にするよ…だって、』
「だって？」
『………』
Aが何かを言いかけて口を閉じた。
ん？と待ってみても、��いや、いい。��ってそっぽ向くだけでその先は教えてくれなかった。
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作者名：蝶-アゲハ-
| 作成日時：2022年3月1日 0時
