慎太郎side ページ34
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揺すっても起きない彼女。
少し口が空いた少女みたいに眠るAを抱き上げ、そのまま部屋へ戻ると、今日の見張り番であるジェシーが��遅いよ��と目を細める。
「ごめん、A寝ちゃって」
ジ「あらあら」
「結構時間経ってたな」
ホントだよ！見に行こうか迷ったんだから！と彼女を起こさないようにいつもよりかなりボリュームを落として言ったジェシーはどこかニヤニヤ。
そしてAの寝顔を見て、��んー��とため息をつく。
ジ「ま、でも見に行かなくて正解だったかな」
「ん？」
ジ「ううん、早くAちゃんベッドに」
「おう」
ふかふかのキングサイズのベッドに彼女を降ろし
さっきまでつかっていたブランケットをかけ直した。
2人してAの気持ちよさそうな顔を見守っていると、
ジ「慎太郎ってAちゃんの事、どう思ってんの？」
「…はぁ？」
ジ「いや、だって」
…今聞くか、それ。
ベッドで眠るAの寝顔を見ながらジェシーが聞いてくる。
思わず声大きくなっちゃったじゃん。
ジ「最近、2人でいること多くない？」
「いや、そんな事ねーけど」
ジ「Aちゃんと付き合ってんの？」
「んなわけないだろ！」
クライアントだぞって言えば、ジェシーはそれが何？と返してくる。
予想外の返しに俺は固まった。
「え？」
ジ「クライアントだからってカンケーあるの？」
「いや、…あるんじゃない？」
ジ「別に好きになるのは良くない？」
誰に恋したっていいんだよ、と片眉を上げたジェシー。
ジ「慎太郎、自分では気づいないかもしれないけど意外とAちゃんに甘いよ」
「俺が！？」
ジ「うん、樹の方が厳しくしてる」
「いやいや…」
そんなわけ…
最初っから今までも俺はAに結構言ってきたし、言ってるつもりだけど。
ジェシーは��最初の頃の慎太郎のほうが厳しかった��って。
「変わってないだろ」
ジ「イーヤ！変わってます！」
「気のせい気のせい」
ジ「慎太郎が気づいてないだけね」
��特別な感情が出れば人は変わるんだよ��って真剣な目で言われたらさぁ、
………なんも言い返せねぇよな。
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作者名：蝶-アゲハ-
| 作成日時：2022年3月1日 0時
