慎太郎side ページ20
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「A、大丈夫か？」
『ぁ、…うん。』
田「早く行こう」
樹に背中を押され、やっと動き出したA。
車に彼女を乗せ、ジェシーに状況を報告すれば
"遅かったねぇ"と陽気に笑ってた彼も一気に表情を変えた。
ジ「了解。ホテルも再度、盗聴器無いか確認する」
「頼んだ」
3人を見送った後、俺はさっきの道へ引き返す。
未だにぐったりと横たわる男共の足首を動かなくさせて、ポケットにあった携帯を見る。
もしかしたら依頼主がわかるかもしれないと思ったが、そこまで馬鹿じゃないらしい。
電話の履歴も、メッセージのやり取りも不審な相手は見つからなかった。
叩き起して意識を戻した後に色々と吐かせようとしたけど、遠隔で紙のやり取りだったらしく2人とも依頼主の顔を見てないって言うし、金のためにやっただけでAを知ってたというわけでもなかった。
後は警察にまかせよう。
とりあえずホテルへ戻ってジェシーと樹に報告。
「アイツらはただ金に目が眩んだだけっぽい」
田「だろうな。見るからに弱かったぞ」
「けど、依頼主はわからない。足跡もなかった。そこが厄介だし、慣れてる感じはあるよね」
ジ「Aを狙う奴って…一体誰？」
任務を始めた頃、Aの厳重な警護に対して
ジェシーが立てていた仮説を思い出した。
��やっぱ誰かに狙われてるんじゃない？��
「…たしかにな」
Aは誰かに狙われている。
それは今日で明らかになった。
だけどその目星となる人物は誰一人浮かび上がらない。
「カズさんには？」
田「報告済み」
ジ「カズさんから北斗にも連絡するって」
「そっか」
ホテルのセキュリティも盗聴器も樹たちが再度確認してくれたみたいだけど異常なしだったらしい。
なら、ここにいるのはまだ安全だろうな。
ジ「念の為、車種も変えたほうが良さそうだね」
田「そうだな」
「もう、こんな時間か」
気づけば、日をまたぐ時間。
見張り用の部屋で喋っていた俺たちは、とりあえず今日はこれで解散しようってことになった。
「Aは大丈夫そう？」
今日の見張り番は俺。
ホテルに帰ってきてからAの部屋に行ってないが
彼女は大丈夫なのだろうか。
ああいうの、耐性無さそうに見えたけど。
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作者名：蝶-アゲハ-
| 作成日時：2022年3月1日 0時
