S・MISSION－1－ (ページ18)

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慎太郎side ページ18

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条件を聞いて、一瞬嫌な顔をしたAだったが
久しぶりに外へ行けることになったからか機嫌は良かった。

鼻歌交じりに服を選び、化粧をして、写真を撮る。

写真はジェシーに何枚も撮らせては＂もうちょっとこう！＂なんて指示をしまくって30分ほどかかってた。

『これが一番ライン綺麗に見えるでしょ？』
田「へぇ、全部一緒に見えるわ。難しいね」
『女って大変なのよ』

何枚かに絞って厳選された写真達は彼女のインスタに投稿され、瞬く間に世界中に広がっていく。

前にジェシーがAのインスタを見た時
フォロワー数の多さにデカい声をあげて驚いてたっけ。

日本人女性で1番だって聞いて、俺も正直驚いた。

そんなすごい人なんかよ！って。

「Aのファンって日本人も多いの？」
『うーん、どうかな。ほぼフランスだけどその次で見たら一番多いかもね。』
「へぇ」

後ろで樹と携帯を見て写真を確認していたAは助手席にいた俺のテキトーな返しに反応して身を乗り出してくる。

『あんまり信じてないでしょ』
「まぁな」
『だと思った』
「こんなワガママな小娘って世間様は知ってるのかね」
『なにその言い方！』

Aはほっぺを膨らまして怒ると
樹に＂この人クビに出来ないの？＂と聞く。

田「悪いが、こいつが居なくなるとAが余計危ない」
ジ「3人の中で一番強いのは慎太郎なんだよ」
「そういうこと。」
『うわ～腹立つ！！』

Aって感情を表に出す時、わかりやすいよな。

怒る時はほっぺ膨らむし、嬉しい時はやたらとテンションが高くなる。楽しい時は、ねぇねぇ！ってなんか言ってくるし。

…子供みてぇ。

いじけて携帯を弄るAが面白くて、バックミラー越しに彼女を見てるとジェシーが運転しながら余計な事を言う。

ジ「Aちゃんと慎太郎、兄弟みたいな喧嘩するね」
「うるせぇよ！」
『やだぁ、こんなお兄ちゃん』
「俺も嫌だわ、こんな妹」

コイツと兄弟はゴメンだわ。

そんな言い合いばっかしてたどり着いたフレンチレストラン。
樹が調べてくれた個室のあるこの場所は、芸能人も多く利用する店らしい。

個室へ入り、次々と出てくるフランス料理にAは黙々と食べ続けていた。

美味しい、の一言もなく。

彼女の後ろに立っていた俺は、Aがどんな顔をしてるか全くわからなかった。

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