慎太郎side ページ17
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ここ数週間は何事もなく過ごしていた。
Aが買い物へ行きたいと言うことも無かったし、夜中に電話で呼び出しが来ることもなかった。
たまに北斗が顔を出して、最近はどうだ？と近況を聞きに来るぐらい。
まぁ、Aのワガママっぷりは相変わらずだけど、
樹もジェシーも何となく扱い方がわかってきたって感じ。
ただ、未知な事はまだまだある。
ジ「Aちゃん、北斗ってマネージャーだよね？」
『うん。』
ジ「ここに来ない時って何してるの？」
『私の仕事がない分、向こうの仕事を手伝ってるみたいよ。』
ジ「ふ〜ん、そっか」
ひとつは北斗のことだった。
あいつは最初俺らに会った時以来、長時間ここに居ることはほぼ無い。
仕事があると何処かへ行ってしまうことが多いし、不思議に思っていた。
そもそもAと一緒に帰国した理由も知りたかったし。
活動をしないのならマネージャーである北斗は別に着いてこなくて良かったんじゃないかって思ってたんだよな。
田「Aはさ、なんでフランスでモデルになったの？」
もうひとつはAのこと。
1番最初に見た資料には大雑把な事しか書いておらず、経歴も詳しく載ってなかった。
何歳までこっちにいたとか、兄弟はいるのか、とかも知らない。
ましてや彼女の苗字さえ、俺たちは知らないんだ。
『ファッションの最先端がフランスだからね』
田「日本でやろうとは思わなかった？」
『…え、なに？今日はやたらと質問攻めだね』
Aは俺たちをぐるりと見渡し、��そんなに私に興味あるのー？��と得意げに笑う。
「Aの情報が少なすぎるの」
『そんなこと言ったら私だって皆の事、ほとんど知らないよ』
それは俺らがAを守るという任務の中で、話す必要性がないからだ。
だけどそれだとフェアじゃないって言いたいんだろう。
押し黙る俺達にAは気にすることなく��お腹減ったね��と呟いた。
ジ「何食べたい？出前頼むよ」
『ここで食べるの飽きたから外で食べたい』
ジ「え…っと………それはねぇ」
『フランス料理！久々に食べようかなぁ！』
ジェシーが苦い顔して俺と樹を見る。
まぁ、ちょっとは自分の立場を理解してきたんだろうなと、
ここ1週間で感じとってはいたから��変装は絶対��という条件付きで外食を許可した。
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作者名：蝶-アゲハ-
| 作成日時：2022年3月1日 0時
