S・MISSION－1－ (ページ11)

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慎太郎side ページ11

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翌日、自分たちの本部へは戻らず
そのまま直接ホテルへ向かえば

「樹、どした…？」
田「もう無理…俺は疲れた」

…どうしたもんか。

見張り用の部屋へ行けば、
昨日の俺みたいに脱力してベッドに横たわる樹がいた。

ジ「樹、珍しいね」
田「アイツ夜中に目覚ましてからやばかったんだって」

話を聞けば、時差ボケでずっと寝てた彼女が
深夜2時に目を覚まし、それからというものゲームがしたいだのシェイクが飲みたいだの朝までワガママっぷりを容赦なく発揮したと。

普通に疲れた、と天井を仰ぐ樹の携帯が机の上で震える。

田「だぁー！」
「電話なってるけど」
田「どーせアイツ」

ちょっと代わりに出て。と言われて、樹の代わりに出たら

『ねぇー、樹！ちょっとまだ？早く来てー！』
「はぁ？」

一方的に話して切られた通話。

樹の言った通り、彼女からの呼び出し。

田「ねぇもうバトンタッチしよ、、、」
「力尽きてるじゃん」
田「最悪だわ、まじで」

もう俺の任務は今日おしまい！！と仕事スイッチが尽く切れた樹は時計をチラ見したものの、俺たちがいることに安心してベッドで寝だした。

ジ「まぁ、俺ら来るまで頑張ってくれたよ」
「しゃーねぇなぁ」

呼び出されたままだったことを思い出して
代わりに俺が部屋をノックすれば

『やっとじゃん！…って、あれ樹は？』
「さっきの電話、なんの呼び出し？」
『ゲームよ、ゲーム』

樹が得意って言うから、と最初は教えて貰っていたらしいゲームも彼女がハマってしまって

珍しく樹のほうが早く飽きてしまったらしい。

ちょっと休憩させろ、って部屋に戻ってったきり帰ってこなかったから電話したと。

『アナタ、…名前なんだっけ』
「……はぁ？」
ジ「慎太郎だよ！俺はジェシー！」

心配で後ろから見守っていたジェシーが俺の名前を言う。

すると彼女は＂慎太郎、ゲーム出来る？＂とコントローラーをクイッと持ち上げた。

「出来るけど付き合わねぇぞ」
『なんでよ、じゃあジェシー！』
ジ「俺、サッカーゲームなら出来るよ」

コイツのためになんでゲーム付き合わなきゃならねぇんだよ。

断ると一瞬不貞腐れた顔を見せたAがターゲットを俺からジェシーへと変えた。
ジェシーは人が良いからなんでもOKしちゃうんだよ。

ゲームにとことん付き合わされたジェシーも数時間後には樹と同じ末路を辿っていたけどな。

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