モリモト日記

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「校内っていけんのかな？」
『…わかんないけど、人いなさそうだね』









ちょっとホラーじゃね？と変顔で言ってくる慎太郎。




………貴方の顔がホラーです。やめてください。









でも廊下も教室も電気が付いてないから
ほんとに出そう………怖い。









『慎太郎、離れないでね』
「あいよ」









繋いでた手をぎゅっと強く握ったら
彼も強く握り返してくれて。
その暖かくて大きな手がとても安心した。









そのまま2人で怖がりながら屋上に。









…誰かいるかもって思ったけど、
案外、誰もいなかった。









「貸切じゃん！」
『ほんとだ』









下を見ると、小さくなった皆が
キャンプファイヤーを囲んでて

私たち、穴場スポット見つけちゃった？ってはしゃいだ。









「星もめっちゃ見えるよ」
『うわぁ、綺麗』









都会なのに、ここまでキラキラしてるってレアじゃない？




夜風が気持ちよくて、上を見上げたまま
目をつぶった。









横にいた慎太郎が、ねぇ、A？と呼ぶ。

私は瞼を閉じたまま、ん？と返事をしたら、









「今日のA、カワイイよ」
『っえ！』









まさか、ここで言われるとは！









「今日の(・)、っていうかいつも可愛いんだけど、特に今日は(・)って感じかな。」
『えっ、ど……どうしたの』
「髪型も似合ってる。カワイイ。」









いつもそんな事言わないじゃん……
なのになんで連発するのさ









戸惑う私に慎太郎は笑って、なんか言って欲しそうだったからと頭を撫でた。









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……気づいてたんじゃん。





ヤラレタ。









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