電話越しの彼 ページ18
『じゃあ、明日』と電話を切り、スマホをカバンに入れて歩き出そうとしたときだった
大きなバンが横を減速しながら通り過ぎ
少し前で停車した
カチカチとハザードランプを点灯させて
直ぐに助手席側のドアが開くと、男の人がこちらに小走りにやって来た
｢っ……｣
知っている顔
彼はどんどんと私に近付き、小走りの足を緩めて目の前に止まった
彼の片手にはiPhoneが握られている
『……Aさん。ごめんなさい』
｢……マネージャーさん｣
彼は申し訳なさそうに持っていたiPhoneを私に差し出すと
『繋がっています』と、私にアイコンタクトをした
躊躇いがちに彼のiPhoneを受け取った私は
それをゆっくりと耳に当てた
『A？……聞こえてる？』
電話の向こうから聞こえてきた声
それは、チャンミンだった
｢……うん。聞こえてる｣
なるべく冷静に落ち着いて声を出すと
伝の向こうから彼の小さな吐息が聞こえた
CM『久し振りだね。……元気だった？』
彼の声に、私は電話を耳に当てながら顔を上げ
止まっているバンに視線を向けた
スモークの張られている車は、外からでは中を覗うことは出来ない
けれど、彼はあの中から私を見ているのだろう
そんなことを考えて、また視線を目の前のマネージャーさんに移した
｢うん。元気。チャンミンは？｣
CM『元気だよ。Aがしてくれてたように、今は自分で体調管理の為にご飯作ってる』
｢……そう。忙しいのに、偉いわね……チャンミン｣
CM『っふ(笑)まぁね。
……ねぇ、A？
どうしてあの日、何も言わないでいなくなったの？』
”『さようなら』”もなしに彼等の前から居なくなる私を
彼等はどう思うのか……なんて
そんなことを考えながら彼等の家政婦は出来ない
お金を貰って依頼を受けている時点で、私はプロだから
契約終了までは最善を尽くす
今までもそうやって仕事をしてきたのだ
｢私との契約はあの日まで。
だから私は最後まで全力でサポートしてきたし
何よりも貴女たちを優先してきた。
だから最後の最後までそれまで通りに接したいと思ったの。
明るく、”じゃあ。またね”って｣
CM『それでも……それでも……
悲しかったよ。
好きだったから……Aが。
誰よりも』
｢……チャンミン
ありがとう。｣
”好きだったから”
彼はきっともう前に進んでいて
この電話は、彼なりに気持ちにけりを付けたかったからなのだろうと思った
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みきぽん(プロフ) - １人ってほんっとに淋しい。『寂しいとウサギってしんじゃう』っていつも思ってる私です。←卯年じゃあないけど(-_- ;) (2020年4月22日 13時) (
レス) id: dafbf0b050 (このIDを非表示/違反報告)
alexis(プロフ) - 裕さん» ジェジュンをどうぞ、よろしくお願いいたします<(_ _)> (2020年4月21日 23時) (レス) id: 25d3b6e52c (このIDを非表示/違反報告)
裕(プロフ) - alexisさん» 入隊前は色々ありましたからね〜 (2020年2月27日 14時) (レス) id: 277fbb4572 (このIDを非表示/違反報告)
alexis(プロフ) - 裕さん» ガンバってるジェジュンが笑顔でいることの私たちの幸せとすでに祈りのような想い…ヒロインの心持ちに私の気持ちをたぶらせてしまって…切ないです (2019年11月27日 17時) (レス) id: d8faaba8f4 (このIDを非表示/違反報告)
裕(プロフ) - alexisさん» 心の拠り所、っていうんですかね。人の強さって、そんなのも影響するんではないかと。 (2019年11月27日 14時) (レス) id: 277fbb4572 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：裕
| 作者ホームページ：http://id29.fm-p.jp/279/jjhh/
作成日時：2019年5月14日 11時
