従兄弟の方のキム

ホビヒョンに ページ10

「ソンルー？」


ある日の休日

同じく休日がかぶったホビヒョンが、僕に声をかけた


「なんですか？」

「今から一緒に事務所いかない？」


事務所、つまりbig hit

今から何かあるのだろうか

他のみんなは仕事でいない

暇だしなによりホビヒョンの頼みだ

断る必要がない


「わかりました、準備してきますね」

「ありがとー！」


ニコニコ笑顔になったホビヒョン

太陽みたいだなって思う

部屋に戻り、ショルダーバッグに必要なものが入っているか確認し、最後にスマホを入れる


「できましたよ」

「おっけー、じゃあ行こっか」


そんなことで車で移動すること数十分

big hitにつき、階段を上っていく

この階は、なんて少しビクつきながら歩く

懐かしい、この匂い

ここで過ごした短い思い出が蘇る


「ついたよ」

「ホビヒョン、ここって」


なんて声なんだろう

弱々しい声だ

こんなんじゃ踊りながら歌うなんてもってのほか

ろくに歌えもしなさそうな弱々しい声しか喉から出てこない


「さぁ、行こう」


ホビヒョンの手がとってに添えられる

あぁ、なんということだろうか

ヒョンには、いや、みんなにはお見通しなのだろうか

ホビヒョンについて行った先

扉を開けた先に広がるは白い床、壁がガラス張りの一室

もとい、僕の大事な、大事な練習場所…だったところ

なんでいるんだよ、ほんと


「ソンル」


静寂が支配するこの部屋で、優しい声が僕を呼ぶ

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