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9th ページ9






side F7







思い返せば 半月前、

当時所属していた店では どれだけの間No. 1の座に
座っていたからすら思い出せないほど、
小さな空間で 全てを詰まらないと感じていた。

そんな時に この世界で働いているなら、
誰もが知っているであろう 勇人さんから
『新店舗作るんやけど、ウチ来る?』
なんてお誘いを頂いて 迷わずその話に飛び乗った。


いざ Alstromeriaのスタッフと顔を合わせると、
名の通った人たちもチラホラといて
俄然 やる気が満ち溢れてきた。





この店の雰囲気にも 新しいスタッフとの関係も、
だいぶ掴め始めてきた 3日前。

店の準備中だった俺たちの指導に来たのは
相変わらずの慎吾と、儚げに笑った Aやった。


Aが 挨拶をするために全体の前で話している時
今まで 女なんて何百人と見てきたはずなのに、
初めて見た女を綺麗だ、と思ったのは
今までにない経験やった。



慎吾のおかげで A、遥輝って呼ぶようになって
少しだけ知れた 彼女のこと。


「遥輝は同級生には見えないよ」

「慎吾と同じ部類だ、絶対うるさいよ」


なんて言って笑うAの顔は キレイなのに、
瞳から見え隠れする 彼女の闇が 俺に取り付いては、
きっと 離れることを知ろうとしない。





知りたい、と 思ってしまったこの感情を、
どこに閉じ込めておけばいいのか 俺には分からんかった。









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作者名:富夢 | 作成日時:2018年8月17日 22時

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