紬ぎ歌Ⅱ (ページ4)

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story53 ページ4

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しばらく彼らとボーッと話をしていると、
部屋がノックされる音で意識が引き戻される。

ちょっとごめんね、なんて話を遮って
ドアを開けると、そこに立っていたのは勇人で、

「何々、どうしたの？」

「パーカー置いてへん？寒すぎて耐えられへん」

そういった彼の服装を見ると、
上はアンダーの上に半袖のシャツのみ。

「あぁ、置いてあるから持ってくるよ」

寒そうな彼を見かねて、そうは言ったものの
先程まで勇人の話を2人としていた手前、
なんだか少しやりづらい部分もあって。

部屋の奥から入口を見て、勇人にペコッと
お辞儀をしている2人に手を挙げて反応した勇人に
パーカーを渡して

｢明日早いんだから早く寝ろって、皆にも伝言ね｣

｢おん、多分平気やろ｣

なんて信用ならない言葉をプレゼントされ、
おまけのように頭をポンポンと2度叩かれて
ドアを閉められた。

｢ごめんごめん、お待たせしました。｣

｢いや、大丈夫ですよ。｣

｢なんかAさんと勇人さん、夫婦みたいっすね｣

スポドリを作っていたからよく話を聞いていなくて
“え？”なんて翔平に聞き返すと、

｢いや、Aさんと勇人さん、夫婦みたいだなって｣

｢夫婦、？(笑)どこらへんが？｣

｢いや、なんか雰囲気みたいなのがっす｣

｢まぁ高校も同じだから付き合いは長いからかもね｣

この動揺が誰かに悟られてはならないと、
隠したつもりだけど 2人にバレてないだろうか、

当たり障りのない返答で誤魔化した。

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