◎坂本勇人 ページ28
．
君と付き合って、3年がたつね。
でもね、これが最後のデート。
勇人の心は私の元にはなくて、きっと違う人のところにあるの。
なんの取り柄もない私がこんなに幸せを味わってただけでも
もう満足。
最後くらいは、と彼好みの清楚な格好をして、玄関を出る。
彼はまだ気づかれてないと思ってるかもしれないけど
知らないうちに増えたネックレス。
イニシャルは私のものでも、彼のものでもない文字。
香水が変わったのも、家に帰ってこなくなったのも
嫌でも気づいてしまう。
数分待つと、彼の乗る高級車が止まる。
一体この助手席に、何人の女の子を乗せたのかな。
はじめは全てが嬉しくて、楽しくて幸せだったのに。
わたしはきっといつまでたってもヒロインにはなれない。
2番目は嫌なの。
「わざわざありがとう。久しぶりに会えて嬉しい」
思ってもないことを並べて作り笑いを浮かべる。
「全然、あんま会えなくてほんとごめんなぁ」
そっちだって本当はそんなこと思ってないくせに。
きっとわたしと会わない間に何人もの女の子と合ってるんでしょ。
「今日はどこに連れてってくれるの？」
物分かりの良い彼女を演じるのも今日で終わり。
「ん〜特に決めとらんけど、どっかある？」
「海、行きたいな、」
「海？入れないけどええん？」
「うん。いいよ。」
終わらせるなら、始まった場所が良い。
そんな最後のワガママ。
車を走らせて1時間程。
誰もいない静かな海。
私たちは、今日ここで終わりを迎える。
楽しかったことも辛かったことも、全部ごちゃまぜにして
海に流してしまいたい。
そんなことを考えていると、ふと涙が溢れてくる。
嫌いじゃないのに別れるなんて、こんな運命になるなんて
神様は結構意地悪かもしれない。
「A、どうかしたん？」
お互い幸せになれるといいな、
そんなことを考えながら、君に伝えます。
To you who I loved
( 大好きだった君へ )
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 145人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
リリ - 富夢さんありがとうございます。 これからも頑張ってください! 応援しています! (2018年7月15日 15時) (
レス) id: 4370d2c0ba (このIDを非表示/違反報告)
富夢(プロフ) - リリさん» 了解しました！ (2018年7月14日 22時) (レス) id: 2fb904d4f3 (このIDを非表示/違反報告)
リリ - いつも読まさせていただいてます。リクエストでホークスの上林誠知選手のお話を書いて頂ければ光栄です!! (2018年7月14日 19時) (レス) id: 4370d2c0ba (このIDを非表示/違反報告)
富夢(プロフ) - びびさん» 了解しました！ (2018年7月14日 16時) (レス) id: 2fb904d4f3 (このIDを非表示/違反報告)
びび(プロフ) - いつも読ませていただいています！リクエストでファイターズの玉井大翔選手お願いしたいです！よろしくお願いします(^^) (2018年7月14日 5時) (レス) id: 9cf6d66d81 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：富夢 | 作成日時：2017年8月1日 8時
