I want to know

◎山崎晃太郎 ページ23

.




まだ、高校生の時だった。






最後の大会、結果的に最後の試合になったあの試合。




きっと、今でも思い出せる。









あの時の興奮も、悔しさも、寂しさも。





それでも思い出そうとしない自分がいるのは、君の存在があるからだろうか。









打席に立つと聞こえる、楽器の音。



もう聴きなれた、この時期でしか聞けないメロディーの数々。






今となれば、もう最後だったあの打席。



Aもいた、あの応援席のなかに。









高校の時は、部活のことしか考えられなくて、

「付き合ってる」

なんて形だけで、お互い避けていたんだと思う。






学校ですれ違っても、目を合わせる程度、


多分Aには負担だったと思う。









それでも、試合があれば必ず 「お疲れ様」ってメールが届いてたり、俺がオフの日には電話をかけてくれたり、




俺が一言も伝えてないのに、仲良いやつとかに聞いて、ちょっとでも話したいからって。そんなことを言っていたような気もする。







そんな優しさに甘えていたのは俺だし、Aのことを考えていなかったのも俺。









身勝手な選択で傷つけて、選んだ道はお互いバラバラだった









今、君の姿を見たら、「ごめん」そう伝えてしまうような気がする。







でも、今日の君に伝えるのにそんな言葉は似合わない。









きっと、俺が出会ってから見たことのない程の笑顔で、




見たことない景色を見ていくんだと思う。









だから、今日はせめて笑顔で、







「 結婚おめでとう 」







そう、君に伝えることにします。









月さんリクエスト作品

I sincerely bless you






( 心からの祝福を君に )









久しぶりの更新になってしまい申し訳ないです(TT)
もしよければtwitterアカウント @tmtmjuck の方もフォローお願いしますo(^_^)o

◎小林誠司→←◎石川亮

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す