I want to know

◎原樹理 ページ13

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風邪を引いた。



朝起きた時からどことなく体は重かったけど、
月末のこの時期に会社を休むわけにもいかず、
だるい体を叩き起して会社に向かう。




それでもやっぱり、体は正直で先輩たちにも早く帰るように促され帰宅。




買い物しようとか考えたけど、
とてもそんな気分になれなくて、家に帰ってすぐに布団に入る。








どれくらい寝たのかな。



ふと体にかかる重みで目が覚める。



枕元の時計で時間を確認すると24時を刺していて、
半日近く寝ていたことに気づく。





飼い犬でも乗ってきたのかな、
散歩も行ってないし、餌もあげてないし申し訳なくなる、



そんなことを思いながら横に目をやると、そこに居たのは紛れもなく樹理で。


夢かと思って頬をつねると痛みを感じ、夢じゃないことを確認してから、




「樹理、樹理」




って肩を揺するけど、反応がない。





そう言えば今日は先発だったんだっけか。

試合結果が気になり、スマホを起動させ、サイトを開くと
無事勝ちがついていたことが分かる。



水を飲もうと、サイドテーブルに手をやると、
たくさんの薬や、飲み物が置いてあることを知る。






あれ、と思っておでこに手をやると、冷えピタが貼ってある。





買ってきてくれたのかな、そう考えると嬉しくなった。




そんなことをしていると、隣で寝ている樹理がもぞもぞと動き出し、

パチっと開いた目が見えた。




おもむろに起き上がると、私のおでこに手をやり、





「ん、下がったっぽいね。」





と言って満足そうな表情をする。





「樹理、お疲れ。ありがとね」




そう伝えると、




「あのね、辛いなら言って？彼女のお願いくらい1つや2つ聞くから。」






と言ったように少し不満げな様子。





「俺だってね、不安だからさ。」





そう言って私の頬をつねる。





「じゅり、いふぁいよ。」




「いい？頼ってね？」





話をまるで聞いてない。




「わふぁったから、はなして！」




そう言ってやっと笑顔になる。






すぐにスマホに目線を戻すと無理やり樹理の方を向かされてキスをされる。






風邪がうつると思って、無理やり剥がすとなんだと言わんばかりの表情でこちらに訴えかけてくる。






「風邪がうつるから！考えて！！」




「ええ…次は容赦しないからね」






そう言いながらも再びキスをする







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( 頼られたい )

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