第二十一話【救出】 ページ22
しのぶは己の体に馴染んだ技を繰り出す
敵は流動体、物理攻撃は通じない
だが、もし全てが流動体ならば何故敵の目は固形のまま残っているのか
理由は簡単
そこだけは、流動体になることができない弱点なのだ。
しのぶはそれに気付いていた
だからこそ、敵の目を狙う
無論、手加減も忘れない。
しのぶの突きは岩をも貫通する
例え、柔らかく撓るフルーレであっても人体程度なら串刺しにする事など容易い。
そこで、しのぶは敵の目を突く途中で腕を曲げ威力を殺した
それにより、フルーレの先端は敵の目を貫通する事無く終わる。
だが、それでも突き刺した事に変わりは無い
その上、威力は殺したといえども【呼吸】を使ったのだ。
敵は痛みに悶絶する
そもそも、何をされたか分かっていないようだ
否、されたということすら認識出来ていない
その、痛みの理由も
己が捕らえていた人質が【居ない】ことも……
しのぶは技を使ったあの一瞬の内に二つの事を行っていた。
一つは敵の弱点への攻撃
もう一つは、勝己にへばり付いていた流動体付近への突き
流動体が貼り付くよりも早く突く事により勝己を敵から引き剥がす事に成功する。
弱点への攻撃は注意を逸らすことにある
勝己を救出した後、すぐに襲い掛かられたら
さすがのしのぶも気絶した勝己を抱えたまま戦うのは難しい
何より
(ほんの少しですが、苛つきましたしね)
冷静に事を判断していても押さえられないものがある
勝己を捕らえ、暴れ回る敵にしのぶは怒っていた
どんなに面倒臭かろうと幼馴染みは幼馴染みなのだ。
しのぶが戦闘に至ったのは戦えないオールマイトの力になるためと
幼馴染みを救うためでもあった。
しのぶは勝己の脈を確認し異常が無いことが分かるや痛みにより叫び散らしていた敵が正気に戻った事を気配で察する。
敵は怒り心頭で此方に近付いてくる
先程の突きのせいか、赤く腫らし涙を溜めた目はまるで親の敵を見るかのように血走っている
正気に戻ったと思ったがその逆のようだ
完全に怒りで我を無くしている。
さて、如何したものか
今、しのぶは勝己を抱えている
戦うのは難しい
けれど、慌てない
しのぶは勝己を救出し容態を見る時間を考慮していた
それなのに、敵はしのぶの考えた時間より早く快復して襲い来る筈が無い。
敵が腕を振り上げた直後、強風が吹き荒れる
｢全く、遅いですよ？｣
次の瞬間、しのぶは何処か安心したような柔らかい笑みを浮かべ
そのヒーローの名を呼んだ
｢オールマイト｣
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ムツキ(プロフ) - めっちゃ面白いです！続き楽しみにしてます！！ (2022年12月14日 17時) (
レス) @page25 id: b50fa5a21f (このIDを非表示/違反報告)
ひな - 面白いです！！続きを待ってます^^* (2020年6月9日 2時) (レス) id: 1862683d0e (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃる - 早く続きが読みたいです〜(´・ω・｀) (2020年4月13日 23時) (レス) id: 0104fff50a (このIDを非表示/違反報告)
呉羽(プロフ) - はい(≧▽≦) (2020年2月28日 4時) (レス) id: 14d7fd66da (このIDを非表示/違反報告)
Chess - ありがとうございます!とても嬉しいです!更新は今頭の中でこねくり回してるので待っていて下さい(；´Д｀)更新する気は滅茶苦茶あります!!落ち着いたら亀更新再開しますので気長に待っていただけたら幸いです！！！ (2020年2月27日 23時) (レス) id: 1b7412e958 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Chess | 作成日時：2019年8月13日 1時
