第二十三話【屈辱】 ページ24
暖かい光に包まれ
勝己は目を覚ました。
その時写ったのは己を支える、あの幼馴染みの姿
それを見た後また、勝己の意識は微睡みへと消えていった。
次に目を覚ましたのは、全て事が終わった後だった
敵は捕まり、火も消火されていた
だが、幼馴染みの姿が無い。
優秀な人材を確保しサイドキックを持つ事もヒーローには必要な事
だからこそ、勝己は敵の攻撃を何分も耐えた事により称賛され、ヒーロー達から熱烈な勧誘を受けていた
勝己はそれを退け、走り出す。
向かうは幼馴染み、しのぶの元へだ
ヒーロー達は勝己を助け出したのはオールマイトだと言った
だが、勝己はそうは思わない
あの時、確かに自らを支え、敵を見据えていたのは彼女だったから
勝己の頭の中は屈辱で溢れていた……
しのぶの後ろ姿が見えたのは彼女の家、マンションの入り口付近だった
しのぶがマンションの敷地に入る寸前、勝己は大声を上げ呼び止める。
しのぶは勝己の方を振り向き笑顔を見せる
否、見せようとした
｢その気色の悪ィ顔を見せんじゃねぇ！！！｣
勝己は、声を荒げしのぶの行動を拒絶する
そして、しのぶが行動を起こす前に勝己は先程の声と変わらぬ音量でわめき散らす。
｢俺はてめぇなん救けられてねぇ……！一人でやれたんだ。なのにてめぇが……！｣
勝己は自分でも何を言っているか分からなかった
ただ、屈辱的だったのだ
あの場で、しのぶに支えられていた事が
勝己はしのぶがどうやって自分を助けたか見ていない
故に認めない
認めたくない
自分より上にいると……
誰であろうが俺の上に行くなんて許さねぇ！！！ーー
｢てめぇが、何もんだろうがもう関係ねぇ！！｣
その言葉にしのぶは息を詰まらせ、目を一瞬、僅かだが見開いた
動揺だ
まばたきの間、その瞬間だけの動揺。
勝己はこの時、四歳以降見ることの叶わなかったしのぶの人間としての表情を見た。
これにより、また思い知らされる
彼女がまだ遠くに居ることを……
｢俺を見下すんじゃねえぞ！！クソアマが！！｣
そう、最後に吐き捨て勝己はもと来た道を辿る
｢上手く隠していたつもりだったのですがねぇ……｣
その声は誰に聞こえること無く、空へ消えていった。
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ムツキ(プロフ) - めっちゃ面白いです！続き楽しみにしてます！！ (2022年12月14日 17時) (
レス) @page25 id: b50fa5a21f (このIDを非表示/違反報告)
ひな - 面白いです！！続きを待ってます^^* (2020年6月9日 2時) (レス) id: 1862683d0e (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃる - 早く続きが読みたいです〜(´・ω・｀) (2020年4月13日 23時) (レス) id: 0104fff50a (このIDを非表示/違反報告)
呉羽(プロフ) - はい(≧▽≦) (2020年2月28日 4時) (レス) id: 14d7fd66da (このIDを非表示/違反報告)
Chess - ありがとうございます!とても嬉しいです!更新は今頭の中でこねくり回してるので待っていて下さい(；´Д｀)更新する気は滅茶苦茶あります!!落ち着いたら亀更新再開しますので気長に待っていただけたら幸いです！！！ (2020年2月27日 23時) (レス) id: 1b7412e958 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Chess | 作成日時：2019年8月13日 1時
