絶叫 -dreadnought- ページ16
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「汚らわしい男がいる外の学校になど、行く必要はなかったのに……」
そして寒さではなく怒りに体を震わせて爆豪へと問いかけた。
「どうやってお姉様をかどわかしたのですか？ あなたごときがお姉様に触れるなど万死に値します」
「……」
寒さで声が出ないのか、爆豪は答えなかった。
ついさっき氷に拘束された切島でさえ、話そうとするたびに歯がカチカチと鳴るのだ。
それ以上の時間、氷に半身を閉じ込められている爆豪はもっと影響を受けているはずだ。
感覚がないのかもしれない。
意識さえも。
氷雨は爆豪の正面に立ち、両手で顔を包み込み自分を見るように固定させた。
「知っていますか、爆豪先輩。Aお姉様の弱点を」
「……」
「わたくしは知っています。ええ、だってあなたよりもわたくしの方がお姉様と過ごした時間は長いんですもの。悔しいですか？ くすくす。そうですわね、特別に教えてあげますわ」
だってもうお姉様と関わることはないのですから。
優越感に浸った表情の氷雨は、反応の薄い爆豪の耳元に唇を近づけて囁いた。
「──はン、その程度かよ」
「なんですって？」
「てめーは知らねえだろうな。例えば俺がキスした時のアイツの顔とか」
「──っ、その薄汚い口で天使のようなお姉様の唇を塞いだのですかっ」
「ハッ、てめーの大好きなオネーサマは俺のもんだ。俺のもんをどうしようが俺の勝手だわ」
「……な、」
黙っていた爆豪がようやく口を開き、いつものように馬鹿にするような笑みを浮かべて後輩に吐き捨てた。
「ずるい……」
足元の氷が徐々に範囲を広げて体にまとわりついていく。
「ずるいずるいずるい！ どうしてあなたなんかがお姉様の愛を！ 私の方が先に出会ったのに！ 私の方がずっとお姉様のことを知っているのに！ 私の方がずっとお姉様のことを好きなのに！ なのになのになぜ！ なぜこんな男と……！」
急速に侵食を拡げた氷は首元まで達し、爆豪の顔を飲み込もうと口元まで迫っていた。
「おいやめろ！！ これ以上はそれ以上は爆豪が──」
「あなたなんかいなくなってしまえばいいのよ──……」
教室を漂う冷気が一層強くなる。
皮膚が裂けてもいいから氷から抜け出そうとした、その時だった。
「やめなさい、氷雨」
塞がれた氷を破って現れたAは、氷のごとく冷たい声で後輩の名前を呼んだ。
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懇望 -pyrophobia-→←耽溺 -philanthropy-
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える - 昨日の晩から読み始めて一気に読み終わりました！！めっっっちゃよかったです！ファンになりました(´∀｀*) (2020年12月8日 18時) (
レス) id: 925912332c (このIDを非表示/違反報告)
ナッツ - 夏雄はウチの名前と似てて、『夏』って呼ばれてたから、嬉しかった！！最高でした！お話も凄い良かったです！続きないのか少し残念…(笑)。 (2020年9月27日 20時) (レス) id: f425f990e3 (このIDを非表示/違反報告)
畢竟無(プロフ) - 22ページに親近感…！(名前的に)いつもながらとても面白いです！頑張ってください！ (2020年5月23日 23時) (レス) id: f1eda83896 (このIDを非表示/違反報告)
玄人になりたい桃(プロフ) - す、好きです！！いつも陰ながら読ませてもらってました！！コメント失礼します！ (2020年5月18日 11時) (レス) id: 8c7ae1dbd2 (このIDを非表示/違反報告)
蛍原(プロフ) - いつも楽しく読ませて貰ってます！これからも頑張ってください！ (2020年5月15日 21時) (レス) id: 5ee87af96c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑪瑙
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=agate0320
作成日時：2020年5月7日 16時
