思い出の形９ -爆豪勝己- ページ10
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去り行く轟の背中に今にも飛びつきそうなAの手を、爆豪はしっかりと握りしめていた。
最後に自分に向けられた同情的な視線がが気に入らない。
力の限り目をつり上げて睨み返してやった。
「ありがとう、勝己君」
仲直りができたのは爆豪のおかげだと、お礼を言いながら腕に絡みついてきた。
「……」
いつもべったりな兄と珍しく喧嘩したA。
本気で頭にきたのであろう。
轟と一切口をきくことなく爆豪を盾にして身を隠したりと、徹底的に避けていた。
『しばらく焦凍と口きかない！ Ａ組にも行かないから！！』
むすぅ〜っと頬を膨らませて宣言する。
その言葉通りAは轟の話題を出すこともなく、Ａ組の寮にも教室にも近寄らなかった。
『だから勝己君が会いにきて……』
──なんて言うAに気分を良くしていた。
独り占めできる、と。
この状態のまま兄離れができたらいいと考えていた……が、
『うぅ……焦凍。焦凍ぉ……』
Aのブラコンはそう簡単には治らなかった。
轟との接点を断つことに耐えられなかったのだろう。
兄の名前を呼びながら、寂しさを紛らわすために爆豪にくっついてくる。
それはそれでうざい。
キスをしたり、抱きしめてやって自分に気が向くようにするが、数分後には兄の名前を口にしている。
しまいには疲れて寝入っても「しょうとぉ……」なんて寝言で呟いている。
(普段以上にうっぜぇー……)
それもこの仲直りで終わりだ。
イライラさせられた分、体で返してもらおう。
「え？ 勝己君！？」
爆豪はAの体を抱き上げてベッドに放り投げた。
逃げられないようにのしかかってニヤリと笑いかければ、Aは危機感を覚えた表情をする。
「てめー、今日はこの部屋から出るな」
「へ？ いやいや、門限あるし！」
「泊まれ。いつも半分野郎の部屋に泊まる時、寮からは許可は出てるんだろ？」
「着替え……」
「俺の貸してやる」
「で、でも替えの下着がないし、さすがにそれは！！」
「半分野郎の部屋にあるだろ。なんならつけなくても構わねえけど？」
耳元で囁いてやるとぷるぷると体を震わせていた。
「うぅ……なんでそう意地悪なの。せっかく焦──」
反抗的な唇を意地悪な唇で塞ぐ。
もう一度あの男の名前を言ってみろ。
(キスだけですませてやらねぇぞ……)
思い出の形──了
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文月 - 初めまして。すごく素敵な作品でここまで一気に読んでしまいました！！絵もすごく好きです！！！ (2018年9月28日 11時) (
レス) id: 14f4662f66 (このIDを非表示/違反報告)
瑠嘉 - リクエスト答えていただきありがとうございます。 (2018年9月16日 15時) (レス) id: efb6f4c834 (このIDを非表示/違反報告)
∞Aria∞(プロフ) - 絵のかっちゃん好きすぎる…夢主可愛すぎる…サイコー…… (2018年8月31日 20時) (レス) id: 77272a15db (このIDを非表示/違反報告)
舞華 - ほんっとうに絵がお上手ですね！羨ましいです！ (2018年8月31日 0時) (レス) id: 388f25156a (このIDを非表示/違反報告)
瑠依(プロフ) - イラストが変わってるの凄く良いです！カーディガンのシチュも好きです！あとTwitterやってますか？ (2018年8月31日 0時) (レス) id: d76a55fa5e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑪瑙 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=agate0320
作成日時：2018年8月10日 21時
