□ クリスマスの日に ページ44
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世間の学校は冬休みに入った。
雄英高校も例外なく……と思っていたが例外はあった。
ヒーロー科は年末ギリギリまで、学校にて個性強化訓練を課せられた。
家が遠かったり事情があって帰省しなくていはいけない場合を除いて、Ａ・Ｂ組の生徒は訓練に励んでいた。
「むぅ〜〜〜〜……、ヒマ」
それをじぃ〜〜……っとAは眺める。
誰にも相手にしてもらえず、演習場の端でちょこんと膝を抱えて、ふてくされていた。
「ならお前も混ざるか」
隣で生徒を監視している相澤が足元で縮こまっているAに向けて言う。
「嫌です。……うぅ、寒っ」
まるで一緒に遊んでこいとでも言うような言葉に即答して、Aは体を震わせた。
持参したカイロを握って手を温める。
「ぼーっとしてるのも寒いだろ。火でも出して暖まっとけ。ついでに雪であいつらの足場を悪くしてやれ」
「それ、さっきの言い方を詳細にしてるだけですよね？」
なぜこの教師は自分の生徒と同じように鍛えさせようとしているのか。
ことあるごとに似たようなセリフを吐いて、あの中に放り込もうとするのはやめてほしい。
ヒーロー科の生徒たちはセメントスによって形成された地形で、それぞれが個性を磨いている。
遠くで放たれている爆音が耳に届いた。
必殺技が成功したのだろう、「──しゃッ！」と気合いの声が聞こえた。
「……先生」
「なんだ。やる気になったか」
「なってません」
Aは「練習台になれやっ！」と爆豪に追いかけられている緑谷を目で追いながら否定する。
「今日はクリスマスです」
「そうだったか」
「先生はクリスマスを一緒に過ごす女性はいないんですか？」
「は？」
唐突の話題から唐突の質問を受けて、相澤は見開いた目をこちらに移した。
その言葉に嫌味なんてものはなく、ただただ純粋に沸いて出てきた。
学校の方針とはいえ、クリスマスに生徒の面倒を見るなんて大変だなと。
「……どうしたんだいきなり」
「あ、いえなんでもないです。気にしないで下さい……」
反応に困っている相澤に「変なことを訊いてすみません」と謝罪した。
なんて野暮な質問を。
誰よりもわかっているではないか。
ヒーローの父親、そして育ての親である叔父夫婦。
今までの自分が一番実感している。
「プロヒーローになったらクリスマスなんて関係ないですもんね」
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文月 - 初めまして。すごく素敵な作品でここまで一気に読んでしまいました！！絵もすごく好きです！！！ (2018年9月28日 11時) (
レス) id: 14f4662f66 (このIDを非表示/違反報告)
瑠嘉 - リクエスト答えていただきありがとうございます。 (2018年9月16日 15時) (レス) id: efb6f4c834 (このIDを非表示/違反報告)
∞Aria∞(プロフ) - 絵のかっちゃん好きすぎる…夢主可愛すぎる…サイコー…… (2018年8月31日 20時) (レス) id: 77272a15db (このIDを非表示/違反報告)
舞華 - ほんっとうに絵がお上手ですね！羨ましいです！ (2018年8月31日 0時) (レス) id: 388f25156a (このIDを非表示/違反報告)
瑠依(プロフ) - イラストが変わってるの凄く良いです！カーディガンのシチュも好きです！あとTwitterやってますか？ (2018年8月31日 0時) (レス) id: d76a55fa5e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑪瑙 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=agate0320
作成日時：2018年8月10日 21時
