君のもとへ ページ42
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月曜日から５日間。
爆豪勝己は経営科のインターン最終日まで、Aと連絡を取ることはなかった。
寮の部屋で１人で過ごす時間はこんなに静かなものだっただろうか。
ベッドに横になりながらポケットからスマホを取り出す。
どんなに画面を眺めても、待ち人からのメールを受信する気配すらない。
(あいつ……まだ怒ってんのか)
Aを怒らせてしまったからには、それ相応に慎重に対処しなくてはいけない。
無闇に接触しようとするのは逆効果だということは、つい最近学んだところだ。
かと言ってこれ以上長引かせても解決には進まない。
やはり自分から連絡を入れるべきか……。
「……」
爆豪は着信欄に並ぶAの名前をタップした。
その数秒後、部屋のすぐ外で聞き覚えのある着信音が聞こえた。
「……っ！」
音に反応した爆豪はベッドから飛び起きて、勢いよく部屋の扉を開く。
「A──」
「痛……っ！！」
ゴンッという音と同時に悲鳴が上がった。
何ごとかと扉の向こうを覗き込むと、Aが額をおさえて下を向いていた。
制服のポケットに入っているであろうスマホからは、自分が呼び出し続けている音が鳴っている。
「うぅ……ひどいよ。着信音にびっくりしたと思ったらいきなりドアが開くんだもん」
「あ、悪ぃ」
親指を滑らせて呼び出しを停止し、不用意に扉を開けたことを詫びた。
「大丈夫か」
「……痛い」
「見せてみろ」
声のトーンからして怒ってはいなさそうだったので、爆豪は顔を両手で包むようにして上を向かせた。
(やっと顔が見れたな……)
額と鼻の頭が赤くなっているが、それ以外はいつものA。
先週に喧嘩して、土日は顔を合わさないままインターンに行ってしまったので、こうやって面と向き合うのは１週間ぶりだ。
「ごめんなさい」
Aは爆豪の目を見て言う。
ずっと謝りたかったの……と申し訳なさそうに。
「電話で伝えようと思ったけんだど、ちゃんと顔を見て話したかったから」
「そうか……」
「かつ──」
Aの体を引き寄せて腕の中におさめる。
怒っていたわけではないと知って心の底から安心した。
「……おかえり」
「ただいま」
声が出ているかも怪しいほどに小さな声で言ったにも関わらず、Aははっきりと応えた。
「……久々の勝己君のにおいだ」
目を閉じて呟くAは、嬉しそうに爆豪の胸に顔を埋めた。
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文月 - 初めまして。すごく素敵な作品でここまで一気に読んでしまいました！！絵もすごく好きです！！！ (2018年9月28日 11時) (
レス) id: 14f4662f66 (このIDを非表示/違反報告)
瑠嘉 - リクエスト答えていただきありがとうございます。 (2018年9月16日 15時) (レス) id: efb6f4c834 (このIDを非表示/違反報告)
∞Aria∞(プロフ) - 絵のかっちゃん好きすぎる…夢主可愛すぎる…サイコー…… (2018年8月31日 20時) (レス) id: 77272a15db (このIDを非表示/違反報告)
舞華 - ほんっとうに絵がお上手ですね！羨ましいです！ (2018年8月31日 0時) (レス) id: 388f25156a (このIDを非表示/違反報告)
瑠依(プロフ) - イラストが変わってるの凄く良いです！カーディガンのシチュも好きです！あとTwitterやってますか？ (2018年8月31日 0時) (レス) id: d76a55fa5e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑪瑙 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=agate0320
作成日時：2018年8月10日 21時
