涙のワケ２ ページ29
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時間が解決してくれるかもしれない。
何かしらの条件が満たされれば解除されるかもしれない。
でもそれが分からない以上、どうすることもできなかった。
「癒月ちゃんはもっと可哀想だよ。“私”と入れ替わっちゃったんだもん」
「轟は知ってるのか？」
「今、話しにいってると思う」
２人で話し合って現状を説明しようと決めた。
深刻なのはどちらも同じだが、“恋人の妹”と入れ替わってしまった癒月の心境は計り知れない。
「もし、私がこのまま癒月ちゃんの体だったら勝己君はどう思う？」
「……」
Aは呆然とする爆豪の手をとった。
その手のひらに頬をすり寄せるが、爆豪の手からは戸惑いが伺える。
「ほら。勝己君、いつもみたいに私に触れない」
「……」
「こんな状態で一緒にいても戸惑うだけでしょ？」
強がりの笑顔を浮かべてAは立ち上がる。
名残惜しそうに爆豪から手を離して、涙を堪えながら口を開いた。
「だから……さようなら」
「──待て」
「え？ わ……っ」
ポロポロと涙を零して踵を返すAの腕を掴み、爆豪は自分のもとに引き寄せた。
バランスを崩したAは背中から爆豪に倒れ込む形となった。
それを難なく受け止め、自身の膝の上に座らせる。
「……ん、ひゃぅ」
逃げないように両手で体を囲い込み、首筋に顔を埋めた。
「え……っ、ちょ、爆豪、まずいって！」
一連の動作を見ていた切島は、爆豪の大胆な行動にストップを掛ける。
教室で……というより人前で何をおっぱじめようとしているのだ。
なによりそれは癒月の体である。
「勝己君、だめ……っ」
Aは必死に抵抗する。
言い方を選んだつもりなのだが、「癒月ちゃんの体ではつき合うなんて無理でしょ？」という挑発として受け止めてしまったのかもしれない。
「勝己君、違うの……っ。私の気持ち的にもこの状態じゃ……」
「……」
その思いが届いたのか、爆豪の動きがぴたっと止まった。
首筋に埋める顔と抱きしめる腕はそのままに。
そして突如クツクツと笑いを漏らした。
「……勝己君？」
「大丈夫だA。てめーはちゃんと元に戻る」
「え？」
「は？」
爆豪の言葉にAと切島がぱちぱちと目を瞬かせる。
「てめーの体は、てめーのもんだ」
「どういう意────んぅ、」
その意味を尋ねようとしたAの顔を上に向けさせ、爆豪は躊躇なくキスをした。
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文月 - 初めまして。すごく素敵な作品でここまで一気に読んでしまいました！！絵もすごく好きです！！！ (2018年9月28日 11時) (
レス) id: 14f4662f66 (このIDを非表示/違反報告)
瑠嘉 - リクエスト答えていただきありがとうございます。 (2018年9月16日 15時) (レス) id: efb6f4c834 (このIDを非表示/違反報告)
∞Aria∞(プロフ) - 絵のかっちゃん好きすぎる…夢主可愛すぎる…サイコー…… (2018年8月31日 20時) (レス) id: 77272a15db (このIDを非表示/違反報告)
舞華 - ほんっとうに絵がお上手ですね！羨ましいです！ (2018年8月31日 0時) (レス) id: 388f25156a (このIDを非表示/違反報告)
瑠依(プロフ) - イラストが変わってるの凄く良いです！カーディガンのシチュも好きです！あとTwitterやってますか？ (2018年8月31日 0時) (レス) id: d76a55fa5e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑪瑙 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=agate0320
作成日時：2018年8月10日 21時
