涙のワケ ページ28
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目の前で泣き崩れる癒月に切島は困惑していた。
爆豪は目を細め、じっくりと観察するように黒髪の少女を見つめる。
「お前、もしかして……A、か？」
「……うん」
「何があった？」
「……っ、あの……あのね……」
床に座り込んだまま癒月──Aは経緯を話した。
溢れてくる涙を拭いながら、震える声で。
それは４日前の昼休みのこと。
Aは机の上にあった「先生が呼んでる」というメモを見て、書かれていた教室に向かった。
そこには同じ内容で呼び出された癒月もいた。
何の用なんだろうねと話していると急に激しい頭痛に襲われ、数秒もしないうちに気を失ってしまった。
目が覚めたのは授業終了を告げるチャイムを耳にした時。
そこで深刻な異変が起きていることに気づいた。
Aと癒月が入れ替わったていたのだ。
＊＊＊＊
「えっと……」
切島はAの隣にしゃがみ込み、心配そうに顔を覗き込んだ。
「相澤先生は？ 先生の個性で……」
「試してもらったけどダメだった。先生は『発動した結果は消せない』って……」
Aは冷静にまず相澤のもとへと足を運んだ。
しかし彼の『抹消』では、２人の入れ替わりを戻すことはできなかった。
「発動した結果？ どういうこと？」
「……半分野郎の氷の発動を無効化できても、出した氷は消せねぇってことだ」
「あぁ！」
爆豪の説明に切島は納得した。
「それで爆豪を避けてたってこと？」
「うん……」
「なんで？ 爆豪に相談すれば……」
「あんまり人に話したくなかったの。それに、すぐに戻れると思ったから……」
入れ替わった日のうちに学校内の先生に相談して回った。
どうにか戻る方法はないか。
でなければ人格を入れ替える個性を持つ生徒がいないか。
いたずらの犯人であろうがなかろうが、どっちでもいい。
とにかく戻してほしかった。
しかし────、
「この学校にはいなかった」
雄英に人格を入れ替える個性を持つ生徒は存在しなかった。
もう４日も経っている。
人格を入れ替えるなんて高度な個性がこんなに長く持続されるなんておかしい。
ヴィランの仕業かもしれないと、先生たちは疑い始めた。
「戻れる保証、ないって……。下手したら、一生このままかもって……」
「……」
止めどなく溢れる涙を拭うAに、爆豪と切島は言葉を失った。
※話の進行上、相澤先生の個性を都合よく解釈してます
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文月 - 初めまして。すごく素敵な作品でここまで一気に読んでしまいました！！絵もすごく好きです！！！ (2018年9月28日 11時) (
レス) id: 14f4662f66 (このIDを非表示/違反報告)
瑠嘉 - リクエスト答えていただきありがとうございます。 (2018年9月16日 15時) (レス) id: efb6f4c834 (このIDを非表示/違反報告)
∞Aria∞(プロフ) - 絵のかっちゃん好きすぎる…夢主可愛すぎる…サイコー…… (2018年8月31日 20時) (レス) id: 77272a15db (このIDを非表示/違反報告)
舞華 - ほんっとうに絵がお上手ですね！羨ましいです！ (2018年8月31日 0時) (レス) id: 388f25156a (このIDを非表示/違反報告)
瑠依(プロフ) - イラストが変わってるの凄く良いです！カーディガンのシチュも好きです！あとTwitterやってますか？ (2018年8月31日 0時) (レス) id: d76a55fa5e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑪瑙 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=agate0320
作成日時：2018年8月10日 21時
