いーじゃねーか ページ23
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「いーじゃねーか、譲っても」
「え？」
爆豪の言葉にAは曇った表情をする。
与えてくれた本人がそう言うならと納得しようとしているが、
「でも……」
「わーってるって」
そう簡単に手放したくない。
そんなAの気持ちを理解した上で、爆豪は自分の意見を言う。
「それは俺が選んだけど、俺が買ったんじゃねぇ」
「え？ あ、そうだけど」
「今度は俺が選んで俺が買ったる」
「……！ いいの！？」
Aの顔に晴れやかさが戻った。
抱きつく勢いで爆豪の隣に移動したが、抱きつくことはなかった。
最近はAの方が人前でスキンシップをとるのに抵抗があるようだった。
爆豪の二の腕あたりの服をギュッと握って嬉しそうしている。
「じゃあ、お母さんにそのカーディガンあげるね」
「ふふ、やった」
母娘はそっくりな笑顔で向かい合って小さく笑う。
爆豪は轟母を見て、Aは将来こんなふうに成長するのだろうか、と感慨深く感じていた。
＊＊＊＊
病院を後にしてラーメンを食べ終わった２人は、ファッションビルの中をうろついていた。
「ふふ、勝己君とまたショッピングできるなんて。あの時は途中で出ていっちゃったんだよね、確か」
「あ？」
“あの時”とは、職場体験中の買い物のことである。
「協力的じゃなかったから、意地悪したら怒っちゃったんだよ。覚えてる？」
約半年前のできごとを思い出す。
なぜ、そんなことになったのかも。
「……てめーが半分野郎を引き合いに出すからだろ」
「ん？」
Aはよく聞こえていなかったらしく顔を寄せて聞き返したが、爆豪は同じフレーズを口にすることはなかった。
以前と店は違うが、色彩豊かなカーディガンが並べられた場所で立ち止まる。
「おら、好きなの買ってやるから。どれがいいんだ？」
「え〜……、勝己君が選んでくれるんじゃなかったの？」
Aは不服そうに唇を尖らせる。
一応聞いてやっただけだと呟いて、爆豪はひとつのカーディガンに手を伸ばした。
「んじゃ、コレ」
「あ、またまた勝己君色だね」
「不服か？」
「全然」
むしろこれがいいと、Aは爆豪をレジに誘導する。
すぐに着たいのでタグを切ってほしいと店員にお願いしていた。
「勝己君、どう？」
「あ？ いーんじゃねーの」
赤いラインが入ったクリーム色のカーディガンを着てみせたAに、爆豪は満足そうに笑って言った。
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文月 - 初めまして。すごく素敵な作品でここまで一気に読んでしまいました！！絵もすごく好きです！！！ (2018年9月28日 11時) (
レス) id: 14f4662f66 (このIDを非表示/違反報告)
瑠嘉 - リクエスト答えていただきありがとうございます。 (2018年9月16日 15時) (レス) id: efb6f4c834 (このIDを非表示/違反報告)
∞Aria∞(プロフ) - 絵のかっちゃん好きすぎる…夢主可愛すぎる…サイコー…… (2018年8月31日 20時) (レス) id: 77272a15db (このIDを非表示/違反報告)
舞華 - ほんっとうに絵がお上手ですね！羨ましいです！ (2018年8月31日 0時) (レス) id: 388f25156a (このIDを非表示/違反報告)
瑠依(プロフ) - イラストが変わってるの凄く良いです！カーディガンのシチュも好きです！あとTwitterやってますか？ (2018年8月31日 0時) (レス) id: d76a55fa5e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑪瑙 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=agate0320
作成日時：2018年8月10日 21時
