喧嘩するほど…５ ページ38
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インターン当日。
Aは新幹線で九州に向かうため、お昼に到着できるように早朝に寮を出た。
「……はぁ」
寮から門へと歩きながらため息をつく。
結局、爆豪とは話さずじまいだった。
自分が発してしまった言葉が原因だが、人の話をちゃんと聞かない爆豪にも非があると思う。
インターンから帰ってくるまで応じないと決めて、Aは徹底的に爆豪を避け続けた。
それでも、やっぱり──……
「A」
「！」
いつだったか、こっそりと九州に行こうとした時のように、Aを待ち構える影があった。
朝の霧に紛れた人物の顔を見てAは呟く。
「……焦凍」
「残念だったな、爆豪じゃなくて」
「べ、別にそんなんじゃっ」
Aの声のトーンで、期待した人物と違っていたことは見抜かれていた。
「気をつけて行ってこいよ」
「うん」
「そういや、俺よりも先にここに爆豪がいた」
「……っ！ 勝己く──」
「俺の顔を見た途端、怒って帰っちまったけど」
「……」
「悪ぃ」
「ううん」
爆豪が近くにいると思い、名前を呼んで探そうとしたがすでにいなかった。
こんなにがっかりする自分がいる。
意地を張ってないで、ちゃんと話せば良かった。
「……勝己君、私のこと信じてくれていないのかな」
「あいつはお前を信じてないわけじゃない」
「……じゃあ、なに？」
「………………さあ？」
「焦凍！」
フォローするなら最後まできっちりしてほしい。
無責任な発言を咎める視線を送ると、焦凍は目を泳がせながら言葉を探す。
「あー……えっと、自信がないんじゃねーか？」
「自信？ プライドの塊みたいなのに？」
「お前を繋ぎ止めておく自信だ」
「私を？」
「俺だって癒月がプロポーズを受けた相手に会いにいくとか言い出したら、不安になるし阻止しようとする」
「──え」
そんなこと……？と、Aは目を見張る。
Aにとっては取るに足らないことなので頭の片隅にもなかった。
……が、爆豪にとっては不安要素でしかないと焦凍は示唆した。
「お前だって嫌だろ？」
「ぅ……、…………うん」
逆の立場に置き換えて考えたら、すぐに理解できた。
それは……嫌だ。
だったらそう言ってくれればいいのに、それが口にできないのが爆豪だった。
気づけなくてごめん、と心の中で謝る。
大丈夫。
私の心はあなたのそばにあるから。
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文月 - 初めまして。すごく素敵な作品でここまで一気に読んでしまいました！！絵もすごく好きです！！！ (2018年9月28日 11時) (
レス) id: 14f4662f66 (このIDを非表示/違反報告)
瑠嘉 - リクエスト答えていただきありがとうございます。 (2018年9月16日 15時) (レス) id: efb6f4c834 (このIDを非表示/違反報告)
∞Aria∞(プロフ) - 絵のかっちゃん好きすぎる…夢主可愛すぎる…サイコー…… (2018年8月31日 20時) (レス) id: 77272a15db (このIDを非表示/違反報告)
舞華 - ほんっとうに絵がお上手ですね！羨ましいです！ (2018年8月31日 0時) (レス) id: 388f25156a (このIDを非表示/違反報告)
瑠依(プロフ) - イラストが変わってるの凄く良いです！カーディガンのシチュも好きです！あとTwitterやってますか？ (2018年8月31日 0時) (レス) id: d76a55fa5e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑪瑙 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=agate0320
作成日時：2018年8月10日 21時
