喧嘩するほど…２ ページ35
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恐る恐る振り返る緑谷出久は、少し離れた場所に爆豪を見つけた。
Aを見ていた彼の視線の中に入ってしまったらしく、いつも以上に厳つい目つきで威嚇された。
“見てんじゃねぇッ！！”とコンビニ前にたむろっている不良以上の圧で。
事情を聞こうと深くつっこんだら爆破で返ってくるパターンだと察して前を向いた。
(これはAさんが一方的に怒ってる感じ？ 文化祭準備の時みたいに深刻ではなさそうだけど、Aさんが本気で怒るなんて滅多にないし……何より空気が重い！！ 皆も察して来ているみたいだ。う……でも２人のことは２人で解決した方が良いに決まってるから、僕が下手に口を出すのも──)
「緑谷君、始まるよ」
「あ、はいっ！！」
雑念に気を取られていた緑谷はAの言葉で我に返った。
授業に集中しなければ。
順番に模擬戦闘が行われていった。
Aは轟チームの戦闘であっても静かにノートにメモを取るだけで、応援の言葉は一切口にしなかった。
そして４チーム目。
爆豪は移動ギリギリまで視線を送っていたが、Aは一度も振り向くことはなかった。
「Aさん、かっちゃんが」
「……」
緑谷が気を遣って伝えてみるものの、Aの目に爆豪が映ったのは中継画面にその姿が現れてからだった。
戦闘が開始されてもよどみなく書き進めていたが、ふとその手を止めた。
爆豪がＢ組の生徒に狙われた耳郎を庇った時だ。
喧嘩中でも嫉妬はするんだなと、少し安心しかけた緑谷だった……が、
(Aさん……！？)
緑谷は戦慄した。
嫉妬していると思われたAの表情まるで無表情。
その無表情が逆に怖く……恐ろしく感じた。
＊
観戦席の物々しい雰囲気は戦闘が終わっても続いていた。
「耳郎かんぜんヒロインだったわ〜」
さらに追い討ちとばかりに、上鳴が空気を読まずに賞賛するもんだから、ピシッとその場が凍りつく。
(……皆には悪いけど、順番が回ってきからここから退散させてもらおう)
移動しようと立ち上がった緑谷と同時にAも立ち上がった。
「先生、私はここで失礼します」
相澤に訓練場からの退室を申し出た。
「もういいのか」
「はい。レポートを書くには充分です」
「そうか」
「失礼します」
生徒への挨拶もなしにAは扉に向かっていく。
「……」
爆豪は引き止めることもせず、ただその背中を見送るだけだった。
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文月 - 初めまして。すごく素敵な作品でここまで一気に読んでしまいました！！絵もすごく好きです！！！ (2018年9月28日 11時) (
レス) id: 14f4662f66 (このIDを非表示/違反報告)
瑠嘉 - リクエスト答えていただきありがとうございます。 (2018年9月16日 15時) (レス) id: efb6f4c834 (このIDを非表示/違反報告)
∞Aria∞(プロフ) - 絵のかっちゃん好きすぎる…夢主可愛すぎる…サイコー…… (2018年8月31日 20時) (レス) id: 77272a15db (このIDを非表示/違反報告)
舞華 - ほんっとうに絵がお上手ですね！羨ましいです！ (2018年8月31日 0時) (レス) id: 388f25156a (このIDを非表示/違反報告)
瑠依(プロフ) - イラストが変わってるの凄く良いです！カーディガンのシチュも好きです！あとTwitterやってますか？ (2018年8月31日 0時) (レス) id: d76a55fa5e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑪瑙 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=agate0320
作成日時：2018年8月10日 21時
