雪と炎のシンフォニー２【爆豪勝己】 (ページ18)

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不思議な服装ページ18

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昼食を終えて午後。

Aは整理した書類を別の階の部署に持っていくため、一度部屋を出た。
するとパトロールから帰って来たと思われる爆豪とばったり居合わせた。

「あら」
「あ？」

爆豪はコスチュームに無理矢理着させられたジーンズを合わせた格好だった。
髪も綺麗に整えられていて、ベストジーニストの努力が垣間見える。

「爆豪君だ。おかえり～、ジーンズ姿似合ってるよ」
「……殺すっ！！つーか、てめーこそなんだソレは」
「え？」
「髪だよ！！どこのパーティーに招待されてんだっつーのっ！」

Aの髪は綺麗にアップにまとめあげられていた。
サイドに編み込みまで施すほどの凝りようだ。
チャームポイントである赤いリボンもちゃんと付けられている。

「あぁ、これ？ベストジーニストさんが整えてくれたの」

昼食を終えたくらいにベストジーニストが事務所に戻って来た。
挨拶をすると「ちょっとこちらへ」と手招きされ、爆豪が座らされていた椅子へ促された。

それから数分もしないうちに髪をまとめあげられたのだ。
寺村もノリノリで「お化粧もしてみる？」とメイク道具を取り出したが、それはさすがに……と辞退した。

「どうどう？似合うでしょ？ちゃんとリボンも付けてくれたんだよ？」
「けッ」

その場でくるりと回転してみるが、バカにしたような眼差しを向けられるだけだった。

「あとそのダッセー格好もなんだよ」
「格好？あーー……うん。これは……ね」

自分の服装を改めて見下ろす。
制服……なのだが、スカートの下にジーンズを履いている。

「上だけ制服で下はジーンズってなんか変じゃない？」
「他の服着りゃいーじゃねーか」
「制服しか持ってきてないもん。旅行じゃないんだから」

だから仕方なくスカートも着用した上でジーンズを履いているのだ。
別に構わないと、ベストジーニストにも許可をもらっている。

「街に出て買い物しても良いけど、職場体験中だし……焦凍にも出歩くなって言われてるし。…………焦凍、今頃何してるかな？私のこと考えてくれてるかな？」
「あ゛ん！？ブラコンも大概にしろよっ！」
「爆豪君は保須市にパトロールはいかないんだよね？」
「担当区域が違うだろ。そんなことも分かんねーのかよ、てめーは」
「……だよね」

世間を騒がせている“ヒーロー殺し”という言葉に不安を覚えながら、Aは仕事を再開した。

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